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秀岳館が今年も高校野球の常識を覆す。名物監督が構想する“プロ仕様”の継投策【第89回センバツ】

元NHK解説者と異例の経歴を持つ鍛治舍巧監督率いる秀岳館高校。今年はプロ野球の短期決戦で適用させるような起用法で「投手力」を使って挑んでいく。

2017/03/22

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田浦、川端の両エースに続く存在は?

 今年の秀岳館投手陣は昨年の甲子園を経験した田浦文丸、川端健斗の両左腕が中心軸に君臨する。
 
 秋に背番号1を背負ったのは最速144キロの田浦だった。170cmと上背はないが、強靭な腕の振りから放たれる直球はキレも威力も充分。その直球と同じ軌道を辿るスライダーは右打者からも空振りが計算できる一級品だ。秋の九州大会初戦では長崎東打線から17個の三振を奪い被安打1の快投を演じている(7回コールド)。
甲子園では通算5試合に登板し、常葉菊川との夏初戦では勝利投手となった。いなべ総合学園戦では先発マウンドにあがるなど実績は申しぶんない。
 
 一方の川端は145キロの快速直球を誇り、スライダー、チェンジアップ、カーブと縦系の変化を得意とする。田浦と同じく5試合の甲子園マウンドを経験しており、夏は4試合中3試合で先発を託された。試合への入り方に安定感があるため、中継ぎ、抑えとしても計算の立つ投手である。
 
 九州大会ではこの両投手だけが登板したが、熊本大会では同じく左腕の西村思務投手が1試合に起用されている。身長は172cmで田浦、川端とほぼ同サイズだがやや変則気味の腕の振りから放たれる140キロに迫る直球には独特の伸びがある。リリースポイントが見づらい上によく滑るスライダーがあるので、左打者にとっては非常に厄介な相手になりそうだ。
 
 練習試合では普段は左翼手の山下竜弥や正捕手の幸地竜弥が登板することも少なくない。万事万能の山下は変化球を散らす術に長け、182cmの幸地は長身からの角度を活かした直球が水準以上だ。両右腕とも地肩が強いため、最速は140キロに限りなく近い。
 
 ただ、公式戦での登板経験がない彼らの能力は未知数で、解禁後の短期間で田浦、川端に並ぶほどの力を備えることができるかは疑問である。鍛治舍監督は言う。
 
「春はわからないけど、夏には十分間に合うと思います。いや、正月の合宿やその後の期間に紅白戦をたくさんこなしてきたので、ひょっとすると春に間に合うかもしれませんよ」
 
 剛腕指揮官が含みを持たせている以上、秀岳館の投手起用法から目を離すわけにはいかない。強打ばかりが注目を集める秀岳館だが、今年は「投」の存在感で頂点に迫る。

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