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中日ドラ1・柳裕也の献身が報われた日。明大・侍ジャパンの主将がつかんだ最初で最後の大学日本一

11月16日、明治神宮大会決勝が行われ、明治大が桜美林大を5対2で破り5年ぶり6度目の優勝を達成。それは同時に、柳裕也(中日ドラフト1位指名)の献身が最高の形で報われた瞬間だった。

2016/11/21

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高木遊



不調も圧巻の投球内容

 春季リーグ、日米大学野球、ハーレム国際大会(※東京六大学選抜として出場)、秋季リーグと1年間フル回転してきた蓄積疲労からか、明治神宮大会での柳の球は本調子とは言えず、ストレートが140km/hに届かないことも多かった。
 
 それでも初戦の関西大戦ではカットボールを中心に組み立てて5回無失点。準決勝の上武大戦ではカーブを中心に組み立て、2度出塁を許した島田海吏(侍ジャパン大学代表)に対しては、しつこい牽制球とクイックモーションで大学球界屈指の俊足を殺すなど7回無失点と圧巻の投球内容を見せた。
 
 迎えた決勝戦では、これまでよりもさらに球は走っておらず、初回に2点を喫したが、以降は踏ん張り4回2失点でまとめると、中盤にチームが逆転し「みんなが勝たせてくれました」と殊勝に語った。
 
 全3試合を視察した中日・佐藤充スカウトは「初戦ではカーブが決まらずカットボール中心、準決勝ではカットボールが入らずカーブを中心に。そして決勝戦では、持てるものすべてを駆使した。タフさに加えて、修正能力が非常に高いですね」とあらためて高評価した。そして、来季以降に向けては「プロではここまで間隔を詰めて投げることは無いので、ストレートももっと速くなるはず」と期待を込めた。

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