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WBCへ難題山積の侍ジャパン。気がかりな山田・中田の不振、手腕問われる小久保監督

侍ジャパンの強化試合4連戦は11月10日から東京ドームでメキシコ、オランダを相手に行われ、3勝1敗で勝ち越したが、WBCに向けて大きな課題を残した。

2016/11/21

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プレミア12、強化試合を経てのメンバー構成は?

 各メディアの論調を見ると、強化試合を終えた侍ジャパンに総じて厳しい目を向けている。投打ともに不安材料が露呈したチームを来年のWBCまでに何とかうまくまとめ上げなければならないのは言うまでもなく、舵取り役である小久保裕紀監督の仕事だ。

 しかしながら今回の強化試合を振り返ってみても明らかなように投手の役割分担(特にストッパー)は未だハッキリしておらず、打線のオーダーも完全に定まってはいない。
 いくら強化試合の段階だったとはいえ、投打ともにおおまかな方向性も見い出せていない状況から判断するに指揮官の抱える深刻な苦悩がうかがえる。

 小久保監督は前回の国際大会「プレミア12」(2015年11月)で非常に苦い経験を味わっている。同大会の準決勝・韓国戦で9回に3点リードを引っくり返されて、まさかの逆転負け。世間から猛烈なバッシングを浴び、大変残念なことに今もネット上ではその手腕を問う声が沈静化していない。

 2013年10月に常設化されることになった侍ジャパン監督に就任し、丸3年が経った。次のWBCは紆余曲折あった小久保ジャパンの集大成としなければならない大舞台だ。ここで結果を出せばきっと過去の汚点は消え去り、一転して栄光を手にすることができるはず。しかしプレミア12の悪夢のように失敗してしまうと、もう取り返しはつかない。WBCはプロ野球ファンのみならず、それだけ国民の強い関心と期待が向けられる重圧の大きい国際大会なのだ。

 そのWBC開催まで、残り4カ月を切った。限られた時間の中でチーム内の投打における難題を小久保監督が強いリーダーシップを発揮し、解決することを切に願う。そして逆風を一掃するには世界一奪回を果たすしかないこともいま一度、肝に銘じて欲しい。

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