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全日本クラブ野球選手権大会は沖縄のビッグ開発ベースボールクラブが初V。日本選手権出場へ【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

第41回全日本クラブ野球選手権大会が、9月2日から4日間にわたり西武プリンスドームで開催され、沖縄のビッグ開発ベースボールクラブが初優勝を果たした。

2016/09/19

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優勝経験あるチームを撃破した、ビッグ開発ベースボールクラブ

 そんな大会のベスト4は、最多36回目の出場で、圧倒的最多の10回優勝を誇る全足利クラブのほかは、千曲川硬式野球クラブ、富士通アイソテックベースボールクラブ、ビッグ開発ベースボールクラブとフレッシュな顔ぶれ。そして、沖縄からやって来たビッグ開発ベースボールクラブが、際どい戦いをものにして初優勝を果たした。

 一回戦から茨城ゴールデンゴールズ、大和高田クラブ、全足利クラブと優勝経験のあるチームを連破しての決勝進出は見事のひと言。ベテランと若手が融合して快進撃を見せた千曲川硬式野球クラブとの決勝も、1-1と息詰まる投手戦になったが、9回裏に一死満塁のチャンスを築くと、コーチ兼任の渡嘉敷貴彦がライトの頭上を越える快打を放って劇的サヨナラで日本一を勝ち取る。

 沖縄県内の高校球児が卒業後も硬式野球を続けられるよう、不動産関連のビッグ開発が2008年に創部したチーム。選手はビッグ管理保証に勤務し、仕事と野球の両立をテーマにレベルアップを続けてきた。すでに企業チームを経由してプロ入りした選手もおり、JX-ENEOSから2012年にドラフト5位で福岡ソフトバンクへ入団した嘉弥真新也投手、熊本(現・鮮ど市場)ゴールデンラークスから2013年にドラフト5位で東北楽天へ入団した島井寛仁外野手はOBである。

 ビッグ開発の創業者で、取締役会長も務める下地 剛監督も「これまでのOBたちが一生懸命に頑張って来た道が、こうやって素晴らしい花を咲かせてくれた」と笑顔で語る。最高殊勲選手賞に選出された26歳の知念正弥は、中部商高ではベンチ入りもできなかったというが、入部後に地道な努力を続けて栄冠を手にした。九州地区代表としても、初の決勝進出で一気に頂点へ駆け上がったチームは、10月下旬から開催される予定の第42回社会人野球日本選手権大会への出場権を得た。選手たちは「さらにレベルアップし、自分たちにしかできない野球で企業チームに挑みたい」と意気込んだ。

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