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「侍ジャパン」の一つの形――代表の誇りを経験し甲子園で躍動した、U15日本代表選手たち

今年の夏の甲子園に出場した各校の選手を改めて確認すると、2013年侍ジャパン結成時のU15日本代表メンバーが名を連ねた。

2016/08/25

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2013年11月、侍ジャパンの記者会見に参加した藤平

 第98回全国高校野球選手権大会は、作新学院が7-1で北海を下し、54年ぶりの頂点に立った。

 今大会のメンバーの中で気になったのが、かつて、あるカテゴリーに所属した選手だ。

 2013年11月、日本の野球界にとって、歴史的な記者会見が開催された。

 その記者会見とは「侍ジャパン」の全世代が集まっての結団式だった。小久保裕紀監督を指揮官とするトップチームをはじめ、アマチュア代表、大学代表、U18、U15、U12、女子代表といった具合だ。それぞれの監督と代表選手が集まり、記者会見が行われたのだ。

 それまで「侍ジャパン」はトップチームだけの呼び名だったのだが、それぞれのカテゴリーも同じ総称を名乗るようになった。プロ・アマ規定が根付く野球界にとっては画期的な記者会見、結団式と当時は報道され、それは新たな歴史を刻んだ瞬間でもあった。

 当時の記者会見に参加していた選手はトップチームが中田翔(日本ハム)、大学代表が大瀬良大地(当時九州共立大、現広島)、U18代表が森友哉(当時大阪桐蔭、現西武)だった。そして、U15代表から参加していたのが藤平尚真である。この夏、横浜高のエースとして注目されたピッチャーだ。

 今大会、藤平と同じくU15代表を経て、甲子園に出場した選手たちが多くいた。

 優勝した作新学院の「5番・セカンド」としてパンチ力のあるバッティングを見せた藤野佑介だ。藤野は準決勝戦の明徳義塾戦では先制の二塁打を放つなど4打点の活躍でお立ち台にも上がった。決勝戦を制し、54年ぶりの優勝に貢献した。

 その藤野と準決勝で対決したのが明徳義塾の三塁手・大北海斗だ。U15代表時代は藤野と二遊間を組んでいた。高校入学後も、知人を介して連絡を取り合った仲だ。試合の整列後は、二人で言葉を交わすシーンもあったが、二人にとって貴重な時間になったに違いない。

 同じく準決勝に進出した秀岳館の二塁手兼投手の堀江航平もその一人だ。今大会は、あまり活躍を見せることはできなかったが、センバツに続いての連続ベスト4進出は、当時の代表選手の中でも最高の実績といえる。

 常総学院のエース鈴木昭汰もU15代表メンバーだ。左腕投手の多い大会で注目選手の一人に挙げられたほどで、全4試合に先発するなど準々決勝進出に貢献。今大会を含めて、甲子園に3度出場の実績も立派だ。当時の経験が自身の糧に大きくつながったというのは、たくさんのメディアで伝えられている。

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