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四国アイランドリーグplus理事長・鍵山誠の新球場構想。地方球場はボールパーク化で町おこし

四国アイランドリーグplusの理事長である鍵山誠は、高松市の中心に新球場建設構想を抱いている。

2016/06/09

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高松市の中心にガイナーズの新球場を

 鍵山が考えているのは、単なる野球場ではない、人が集まる場所としてのボールパークだ。野球だけでなく様々なイベントに利用できる場としてボールパークが機能することによって、町を活性化させようと言うのである。実際、アメリカでは20年以上前から、市街地活性化の核とすべく、郊外から市中心へのボールパークの回帰が始まっている。

「だから」。鍵山は言う。
「僕の次の目標は、これを高松の都心に造ることなんです」

 Cスタ丸亀は確かにこれまでの地方球場の殻を破った斬新なボールパークで、独立リーグのような小規模プロスポーツにちょうどいい器でもある。しかし、丸亀市街から4キロほど離れたというその立地はいいとは言えない。そこでこのボールパークを足掛かりにこれを今度は県都・高松に造りたいと鍵山は考えている。

「今はこういうものがあるよっていうのを丸亀で皆さんにお見せしている段階です。ガイナーズは高松の球場もホームとして使用しているのですが、これももうできて34年になります。だから新しいのを高松の町のど真ん中に造ってはどうかなって。みんながボールパークに集まって、そこから街へ繰り出せる、そういう回遊性のあるスタジアムを造らないと、町が活性化しないよなって思うんです。スポーツで町を活性化って言っても、観るにしてもプレーするにしてもその場が郊外にあったんじゃ、そのあともう帰るしかありませんよね」

 地方の衰退が叫ばれる中、高松は商店街を核とした町おこしの成功例としてしばしば取り上げられる。地域密着を掲げる独立リーグの総帥として、鍵山はこの町の中心にボールパークを造ることを自らの「最後の仕事」と位置づけ、高松の街づくりに野球を通じて貢献したいと考えている。

「野球だけやっててもそこは届かないんで、野球以外の部分でも地域と関わっていき、関係を深めていこうと動いています。そこからスポーツが地域とどういう風に関わっていくべきかを僕なりに考えてみたり、ときにはスポーツ以外の業界の人からも、提言を受けることのできる環境づくりを心掛けています。『スポーツだから』、『ビジネスだから』ではなく、お客さんも巻き込んでみんなが意見を出し合える空間の中心に球団が位置付けられれば、街が劇的に変わるんじゃないかなと思うんで、なんとかやっていきたいですね」

 鍵山の最後の夢が実現したとき、それは日本の野球文化が大きく変わるときかもしれない。

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