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JABA東北大会VはJX-ENEOS。新人11名採用、都市対抗史上最多11回の優勝を誇る名門が新たな歴史の構築へ【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

5月7日から仙台市民球場、石巻市民球場で第47回JABA東北大会が開催され、JX-ENEOSが優勝した。

2016/05/20

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グランドスラム



3大会ぶり日本選手権出場へ

 そうして迎えた東北大会。TDKとの第1戦に齋藤の力投で快勝すると、第2戦では負けじと柏原が7回1失点の好投。雨で2日間順延したあとの第3戦は、3年目の船本一樹が安定した投球を披露し、打線も中盤に爆発してJR北海道を7回コールドで下す。さらに、地元・七十七銀行との準決勝は柏原が4安打完封。齋藤を先発に立てた日本製紙石巻との決勝は、5回表に1点を先制されると、そのまま終盤となる。しかし、8回裏一死一、三塁から谷田の中前安打で同点に追いつき、都市対抗連覇を経験している6年目の山田敏貴も右前に運んで逆転。最後を船本が締め、3大会ぶりの日本選手権出場を決めた。

JX-ENEOS優勝

 JABA大会の優勝チームに日本選手権の出場権が与えられるようになったのは2007年からだが、JX-ENEOSは都市対抗連覇を果たした2013年までいずれかの大会に優勝し、都市対抗予選前には日本選手権出場を決めていた。

「日本選手権を先に決めておけば、都市対抗予選に集中できますし、それが都市対抗での好成績につながった部分も大きいと思う」

 主将の渡邉貴美男がそう語るように、毎年のJABA大会優勝はJX-ENEOSが常勝チームである土台となってきた。ところが、2014年に初めて出場した4つの大会すべてで優勝を逃すと、関東最終予選でもまさかの敗退。連続出場が8大会で途切れ、昨年も京セラドーム大阪でプレーすることはできなかった。名門の威容を取り戻すべく、今年は2月の奄美大島キャンプから強い決意で臨んでいただけに、3大会目で結果を出したこと、柏原、齋藤、谷田、若林らルーキーがその原動力になったことは注目すべき点だろう。

 今夏の都市対抗一回戦で白星を挙げれば、史上初の大会通算100勝目。栄光の歴史に彩られたチームが、またひとつ金字塔を打ち立てられるか。さらに、通算12回目の黒獅子旗に届くのか追いかけたい。

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