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12年ぶり選抜出場が「当確」!佐藤洋監督のもと生まれ変わった東北の新チームをチェック

2022/10/24

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川浪康太郎



下位打線も脅威、「ヒロシさん」のもと全員が伸び伸びプレー


東北大会では上位打線につなぐ役割を果たした小野洋一郎。【撮影:川浪康太郎】
 
 打線は下位打線も抜け目がない。東北大会では全試合で7番を打った伊達一也外野手(2年)、同じく9番を打った小野洋一郎内野手(2年)がともに3割を超える打率をマーク。特に八戸工大一との初戦では小野が3、8回に得点につながる安打で出塁し、伊達は9回にサヨナラ打を放った。来春に向け打線の組み替えはあるだろうが、この二人がさらなる得点力向上のキーマンとなりそうだ。
 
 この秋は東北ナインのはつらつとしたプレーが強く印象に残った。仕掛け人は佐藤新監督。寮でともに生活する教え子たちからは「ヒロシさん」と呼ばれている。高校野球特有の厳しすぎる指導に疑問を呈し、「自由に楽しく、でも一生懸命」をテーマに掲げ、丸刈りを廃止したり、Tシャツ、短パンでの練習参加を許可したりと、異例とも言える改革を行ってきた。
 

 
 東北大会決勝後の取材では、山形中央・武田と対戦した際に「ボールが速くて見えませんでした!」と楽しそうに感想を口にする選手たちの姿を回顧し、「野球がたのしくてしょうがないんだろうな」と目を細めた。改革の成果が早くも結果として現れ、「一石を投じることはできた」と手応えも感じていた。生まれ変わった名門・東北の躍進はまだまだ続きそうだ。
 
取材・文 川浪康太郎
 

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