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【大学野球】春は故障で登板なし。ドラフト1位候補左腕・今永昇太、完全復活を目指す秋

駒澤大のドラフト1位候補左腕・今永昇太(駒澤大4年)が神宮のマウンドに帰ってきた。今春のリーグ戦は登板機会なし。地道なトレーニングを経て秋のリーグ戦に臨んでいるが、まだ本調子とは言えない。

2015/09/21

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高木遊



今季初先発も……

 今季初先発となったのは、その翌週9月15日に行われた専修大との試合。相手は東都大学春季リーグの王者だ。

 4回までは安打2本1四球、5三振を奪う上々の立ち上がりだった。しかし、5回に1死から安打を許すと、その後2四球。一死満塁のピンチを作ると、次打者の打球を三塁手が弾き、2点を失ってしまう(記録はエラー)。

 また8回にも、それまで3打席3三振を奪っていた渡辺和哉(専修大4年)にストレートをレフトスタンドに運ばれ、8回4失点で降板。チームも専修大の4年生エース・大野亨輔の前に1安打完封負け。初黒星を喫した。

「5回はセットポジションになってから、上半身と下半身のタイミングが合わず、修正できませんでした。エースとして“何が何でも抑える”という投球を大野くんに勉強させてもらいました」と悔しさをにじませながらも淡々と語った。

“復帰”では意味がない

 球速だけを見れば故障以前の数字には戻っている。だが、スカウトの1人が「低めの球が球速ほど、きていない」と話すように、まだ本調子とはいえないようだ。

 また、「肩のスタミナを考えたら、5・6回あたりで1回落ちるはず」と読んでいた専修大・齋藤正直監督の読みや、大野の打線に流れをもたらすテンポの良い投球も見事で、今春王者の力を見せつけられる形となった。

「“投げられる”“投げられない”という低い次元ではやっていない。“復帰”ではなく、ケガをする前よりも逞しくなった姿を見せなければいけません」

 そう最後に力強く言い切った今永。まだ本調子とはいえずとも、エースの矜持は健在だ。ドラフトまで残り1カ月。今永の大学ラストシーズンは始まったばかりだ。

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