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ポスト今江は誰? 「ミスターロッテ」の退団で、球団の育成力が問われる2016年

「ミスターロッテ」だった今江が今季限りでロッテを退団する。長年攻守にわたりチームを支えてきた主力選手が抜けることで、戦力は大きくダウンする。一方で若手にとってはレギュラーを奪うチャンスでもある、ポスト今江を制するのは誰か?

2015/11/26

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今江退団で、来季の三塁は若手の台頭に期待

 そこまで指揮官の信頼を勝ち得ていた今江が、それから2カ月も経たない11月10日に、まさかの海外FA(フリーエージェント)権の行使を行った。

 千葉ロッテはFA権行使後のチーム残留を認めていないため、このまま退団が濃厚だ。海外志向の強かった西岡剛のときならいざ知らず、2代目ミスターロッテを襲名し、生涯国内を宣言していた「あの」今江である。さすがに彼の退団までは想像もしていなかった。

 今江の力は通算打率.287の攻撃力だけじゃない。
 長いシーズン、彼の穴を何度も痛感させられるのは、むしろ安定感のある守備力のほうだ。世代交代は世の常とは言え、今江敏晃の存在はあまりにも大きい。スコアボードにファースト福浦、サード今江の名が連なっていると、マリーンズファンはなんだか妙な安心感がある。その片翼が来季はいないのだ。これは大変なことになってきた。

 数年後にはあのとき今江が出て行ったから○○が出てきた。と、語るときがきっと来るだろう。
 それは中村かもしれないし、2年目の香月一也かもしれないし、来季からチームに加入するルーキーの平沢大河かもしれない。そのいずれかが出てくるにしても、来季は攻守両面に多少の目をつぶり、若手の成長(覚醒)を気長に待つシーズンになるであろうことは想像に難しくない。
 期待で胸が膨らむシーズンになるのか、悪夢で頭を悩ますシーズンになるのか、その展望はいかに――。

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