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史上初の“5冠”も夢ではない。前人未到の挑戦が続くヤクルト、山田哲人【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、前人未到の5冠達成も見えてきたヤクルト・山田哲人をはじめ、野手の主要タイトルについてだ。

2015/07/31

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山田が競い合う5つのタイトル

 暑い季節にさしかかって、ヤクルトの山田哲人が元気だ。7月は78打数35安打。打率を.307から.334に上げて首位打者争いに参入し、あっという間にトップに立った。
 昨年も打率3位の.324をマークしているからフロックとは言えないが、今季の山田は前人未到の記録に迫りつつある。

 昨日までの野手の主要タイトルのランキング。

広尾様0731表1

 山田は打率、本塁打、盗塁で1位、安打数2位、打点3位。5つの部門で激しく競り合っている。

 野手のタイトルは打率、本塁打、打点の3部門だと言われるが、盗塁もタイトルだ。また安打数は1994年からタイトルになった(他に出塁率、出塁数というタイトルもあるが、これは表彰内容がセ・パで異なっていた時期があるので今回は除外)。

 この5つの部門を独占した選手は、過去一度も出ていない。ミート力、長打力、勝負強さ、スピードを兼ね備えた万能選手は過去に何人もいたが、誰も“5冠”を達成していないのだ。

 今回は、この5冠のうち3冠以上を取った選手のリストを紹介し、“5冠”の価値を考えていきたい。

 まずは1リーグ時代だ。

広尾様0731表2

 赤枠は「三冠王」のタイトル。戦前には5冠のうち、3冠を取った選手は7人。すべて野球殿堂入りしている大選手だ。戦前唯一の「三冠王」の巨人、中島治康は、最多安打も獲得し、4冠になっている。川上哲治は1リーグ時代、2回3タイトルを取っている。しかし盗塁王には縁がなかった。

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