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3度のじん帯再建手術を乗り越えた『負けない男』、ヤクルト館山が歩んだ復活への道【新・燕軍戦記#7】

実に814日ぶり──。たび重なる手術により、長らく公式戦のマウンドから遠ざかっていた東京ヤクルトスワローズの館山昌平が、ついにカムバックを果たした。その復帰までの道のりを振り返る。

2015/06/30

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じん帯再建手術だけで3度、縫い痕は151針

「高津さん(高津臣吾投手コーチ)があんな継投するから泣いちゃいましたよ。トニー(バーネット)が8回に出てくることを想定してませんでしたし、なんか…長かったなって、いろんな思いがこみ上げてきて。あんなに必死になって勝ちにいってくれるんだなって……」

 6月28日の巨人戦で、2013年4月5日の横浜DeNA戦以来となる神宮のマウンドに上がった館山は、試合後に記者に囲まれてそう話すと、また目を潤ませた。

 負けない男──。かつてはそんなふうに呼ばれた。通算勝率.586はNPB現役投手中7位(通算1000投球回以上)。中継ぎや抑えを経て、再び開幕ローテーション入りした2008年から翌2009年にかけては、国鉄時代に金田正一が樹立した球団記録を塗り替える14連勝をマークしたこともある。

 その2008年から5年連続で2ケタ勝利を挙げ、2008年に勝率でリーグ1位を記録(当時は表彰対象外)、2009年には16勝で最多勝に輝いた。この5年間の勝率は.685で、NPB現役勝率NO.1の杉内俊哉(巨人)の同期間の勝率(.663)をもしのぐ。

 だが、その館山をアクシデントが襲う。初の開幕投手に抜てきされた2013年のことだ。シーズン2度目の先発となった4月5日のDeNA戦で、4回表にブランコ(現オリックス)にレフト前ヒットを打たれ、思わずマウンドにしゃがみ込む。立ち上がると、ベンチに向かって右手を上げてトレーナーを呼んだ。異変が起きたのは明らかだった。

「2004年に再建をした(右ヒジ)じん帯の部分が断裂をしている、と。このままいっても復帰の見込みがないので、もう一度再建をしますという(診断)結果でした」

 神宮のクラブハウスで、スーツ姿で取材に応じた館山がそう話したのは、2日後のこと。4月12日に自身2度目のじん帯再建手術を受け、そうなると全治までは1年かかるとの見通しも明らかにした。

 そこから長いリハビリの日々が始まる。ところがようやく復帰も視野に入ってきた2014年4月5日のイースタン、巨人戦で、今度は1球投げたところで降板。その5日後に右ヒジ外側滑膜ひだ切除の手術を受け、その際に前年に手術した右ヒジ内側側副じん帯の再断裂が判明する。再度の再建手術により、復帰まではさらに1年を要することとなった。

 これで、じん帯再建手術──いわゆるトミー・ジョン手術だけでも3度目。大学時代の右肩クリーニング手術から数えると、実に7度目の手術となる。その手術痕は合計151針。それでも『負けない男』はたび重なる手術、そしてそのリハビリのつらさにも負けず、不死鳥のごとくよみがえってきた。今年4月28日のイースタン、千葉ロッテ戦で、389日ぶりの実戦登板。その後もファームでの登板を重ね、ついに神宮のマウンドに帰ってきた。

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