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【横尾弘一「プロにつながる社会人野球」】野茂英雄、杉内俊哉、攝津 正、長野久義――プロへの登竜門『侍ジャパン社会人代表』に注目!

今季のプロ野球を見ると小林誠司、田中広輔、秋吉 亮、東明大貴、吉田一将、石川歩……社会人野球出身のルーキーが各チームを支えている。今年のドラフト会議でも、社会人野球出身の選手の指名が予想される。先日行われた、第17回アジア競技大会(韓国・仁川)にも、そんなドラフト候補の選手たちが日本代表として出場した。ぜひ、『侍ジャパン社会人代表』にも注目いただきたい。

2014/10/05

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社会人野球は、日本独特のシステム。プロ入りを目指す新星の登場に期待

 高校、大学を卒業してプロへ進まなくても、第一線で野球を続けられる。

 日本の社会人野球は、世界の野球シーンでも独特のシステムだ。

 かつてはプロと双璧の人気を誇り、都市対抗野球大会を中心とした一発勝負では、”プロの技と高校野球の情熱”が見られると根強いファンに支えられている。

 高校、大学時代は注目されなかった選手が、大きく飛躍してプロへ進む例も少なくないアマュチア最高峰のもうひとつの魅力は、世界を舞台に戦うことである。

 1972年にニカラグアで開催された第20回世界選手権大会に参加して以来、社会人が中心となった日本代表はキューバ、アメリカ、韓国など強豪国と死闘を繰り広げてきた。

 だが、オリンピックをはじめとする国際大会にプロ選手の参加が容認されると、徐々に出場する大会が減り、現在ではアジア圏で開催される大会にプロを派遣しない場合にのみ出場している。

 ライバルの韓国、チャイニーズ・タイペイはプロを中心にチームを編成する中、2012年の第26回アジア野球選手権大会、13年の第6回東アジア競技大会を連覇。自身もバルセロナ・オリンピックでプレーした小島啓民監督の「日本代表にはプロもアマも関係ない」という方針の下、今年も第17回アジア競技大会(韓国・仁川)に出場した。

 予選リーグは中国を11-0、パキスタンを9-1、モンゴルを21-0で下し、Aグループ1位で準決勝に進出。Bグループ2位のチャイニーズ・タイペイと対戦したが、2回表に集中打を浴びて7点を失い、4-10で敗れた。

 選手たちは、プロのトップクラスで固めたドリームチームの韓国と決勝で対戦するのを熱望していただけに肩を落としたが、翌日の3位決定戦では中国に10-0で完勝し、多幡雄一キャプテン(Honda)が「最低限のノルマ」と語った銅メダルを獲得した。

 34歳のベテラン捕手・中野滋樹(JR九州)は、「チャイニーズ・タイペイにも力負けはしていなかった。勝てる試合を落としたと思うと、上手く投手陣をリードできなかったことが悔しい」と唇を噛む。一方で、プロから熱い視線を送られている若手選手たちは「この経験を生かして、プロでも活躍したい」と前を向いた。

 落合博満、野茂英雄、古田敦也、松中信彦、福留孝介、杉内俊哉、攝津 正、長野久義――。社会人日本代表で国際大会を戦い、プロの世界でも高い実績を残した先輩たちに続く新星は誰か。

 詳細に報道される機会は多くないが、現在は『侍ジャパン社会人代表』とカテゴライズされる選手たちに注目してみるのも面白い。