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「ファンの声援が僕らを後押し」 番長、今季好調の要因【横浜DeNAベイスターズ・三浦大輔スペシャルインタビュー1】

 開幕ダッシュを決め、セリーグの台風の目となった今シーズンの横浜DeNAベイスターズだったが、交流戦では苦しみ借金1でレギュラーシーズンに戻ることになった。しかしまだリーグ首位戦線には食らいついており、これからも巻き返しに期待がかかる。  苦しいチーム状況の要因のひとつに投手陣の不振が挙げられるが、その中にあって5月5日に遅ればせながら開幕を迎えた三浦大輔は、ここまで自身初の開幕3連勝を含む、登板5戦すべてでクオリティスタートを達成(うち3回がHQS)。やはり今年もいてもらわなくては困るハマの番長の存在感。もはや今年で42歳という年齢は感じさせない。  厳しい戦いを強いられながらも何とか上位に踏みとどまるチーム状況を鑑み、今年の自分自身とチームの雰囲気、そして日本一経験者としてこれから優勝、あるいはクライマックスシリーズに向け戦っていくためにはどうしたらいいのか語ってもらった。

2015/06/16

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ベースボールチャンネル編集部



1勝を重ねる難しさを体感しているベイスターズ

――あの試合はまさに三浦選手の真骨頂を見ました。前打席で特大ホームランを打たれていた柳田悠岐選手との7回表の攻防、二死1、3塁の場面で、まずフォークを2球、次にインハイのカットボールを2球、そしてフォークでフルカウント。最後はアウトローのストレートを投げ込み見逃しの三振。あの痺れる場面での配球は三浦さんの狙い通り。

 まずツーボールなった地点でここはストライクを取りに行くのはやめようって思ったんです。おそらく外にヤマを張っていると思ったので、インハイのカットを投げたら、それがストライクになった。これが大きかった。あのファーストストライクがバッターの残像になって、カウント3-1からフォークを投げてファールを打たせた。あの地点でアウトローが通ると思ったんです。だからあそこは首を横に振りましたよ。絶対に譲れない部分だったので。

――あの場面、柳田選手はフォークにヤマを張っていたと思うのですが。

 たぶん変化球だと思っていたでしょうね。髙城からのサインはフォークやカットだったんですけど、僕はかたくなに首を横に振って絶対に真っ直ぐや、と。細かいことをいえば少し長めにボールを持って相手をじらせたり、打席でいろいろ考えさせたり、いろんな準備をして攻めたからうまくいったのかなあと。

――投げ終わった後の会心のガッツポーズが印象的でした。

 まあ、あそこは踏ん張らないと。先頭打者のピッチャー(中田賢一)にツーベース打たれて始まっているから、1点取られていたらゲームの流れとして終わっていた。だから出し尽くしましたよね。たぶん次の回も行けって言われていたら無理だったと思いますよ(笑)。

――となること今年はバッテリー間の意志疎通や勝負どころの姿勢といった積み重ねが、いい方向につながっていると。

 僕自身もそうですし髙城も黒羽根も1点を争う場面とか、チームとしても去年の後半から緊張感のある試合を続けて戦ってきている。若い選手たちはその中で貴重な経験をしていて、僕から見ると選手たちが成長してきているのが凄くわかるんですよ。

――なるほど。しかし三浦さんも久しぶりじゃないですか。こういった『勝つ苦しみ』というか、首位を争うポジションではないと経験できない試合を投げるのは。

 そうかもしれないですね。僕は1勝する大変さを誰よりも知っていると自負しているんです。今、若い選手たちは緊張感のある中で1勝を重ねる厳しい経験をしている。もちろんミスが出ることはありますが、でもその中で成功したことっていうのは凄い成長につながると思うんですよ。

――交流戦では経験がないところにきてかなり苦しい思いもしていますが、これがつまり勝つことの難しさでしょうか。

 プロ野球ですからそのプレッシャーの中で勝ったときの充実感は素晴らしいもんです。ファンの方もすごく喜んでくれますしね。

――それにしても今年のハマスタの客入りはすごいです。

 ホントですよね。ありがたいことです。選手たちも勝てば来てもらえるということがわかったし、また球団の努力でファンの方々には球場に足を運んでもらえている。プロ野球である以上、大観衆の中でプレイできるのは幸せなことですよ。

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