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遅咲きの和田一浩、2000本安打達成 次に迫るは史上3人目の「両リーグ1000本安打」【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、11日の千葉ロッテ戦で2000本安打を達成した中日・和田一浩についてだ。

2015/06/12

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達成間近の両リーグ1000本安打

 2000本安打達成者の40歳代での成績を見てみよう。40歳の誕生日を迎えるシーズンを含むそれ以降の通算成績だ。なお10月以降の誕生日の選手は、1年繰り下げた。500打席以上の打率ランキングにまとめた。

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 2000本安打者45人の中で、40歳以降もプレーした選手は26人いる。
 打率1位は門田博光、2位は落合博満。和田一浩は、宮本慎也と僅差の4位。今後も安打を量産する可能性があるので、上位に躍り出ることもあり得る。多くの大打者が40代になって打率を大きく下げる中、和田は高打率をキープしているのだ。40歳になった2012年は統一球導入2年目であり、公式球の反発係数が非常に低かったため、和田の打率も.232と急降下したが、これがなければ40代の打率は.290近くになっていたと思われる。
 40歳以降の通算安打は、金本が552本で1位、和田は野村克也の426安打に続いて3位だが、これも抜く可能性があるだろう。
 和田は、40歳を過ぎても衰えを見せない稀有の打者なのだ。

 さらに和田は、もう一つの大記録に迫っている。これまで2人しか記録していない「両リーグ1000本安打」だ。

 両リーグで700本以上安打を打った打者をまとめた。

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 大杉勝男は、張本などと東映の中軸打者として活躍したのちにヤクルトに移籍し、1978年のチーム初優勝にも貢献した。
 落合は、ロッテで3度の三冠王に輝き、その後中日、巨人に移籍し、セパ両リーグで活躍した。しかし96年に巨人を退団した時点ではパの通算安打は954本。翌年から2年間、日本ハムで142安打を打って、大杉に続く両リーグ1000本安打を達成した。

 以降は、誰も達成していない。
 和田と同い年の稲葉はヤクルトで972安打、日本ハムで1195安打。現役の内川聖一はこのままいけばソフトバンクで1000本を打つことは十分に可能だろうが、もう一度セリーグに復帰しない限り両リーグ1000本は不可能だ。

 和田は、あと31本でセリーグ1000安打。順調に行けば8月には3人目の両リーグ1000本を達成するのではないか。
 丈夫で長持ち、そして多くの投手に柔軟に対応できる打撃の持ち主でなければ達成できない大記録だ。
 2000本安打を達成しても和田の打席から目が離せない。

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