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主力野手の離脱に不調 緊急事態のデーブ楽天を支える投手陣と新戦力  

打撃陣の主力メンバーが故障や不調で離脱する中、投手陣中心に守りで踏ん張っている楽天。9日のDeNA戦の延長12回のサヨナラ勝ちもあり、今いる戦力で戦い抜いている。

2015/06/11

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銀次復帰まで投手陣と新戦力でしのぐ

 原動力は1にも2にも投手陣だ。防御率3.30はリーグ3位だが、先発投手陣のゲームメイク能力を表すQS(クオリティスタート)率ではリーグ1位の67.2%をマーク。今年と同じ58試合消化時での昨年は41.4%だったことを考えると、先発陣の奮投が本当に際立つ。先発投手が4回未満でKOされたのは今季4試合だけ。交流戦に入ってからは1度もなく、ここまで皆、責任投球回の5回以上を投げ、チーム勝利の可能性をしっかり演出している。

 レイ、塩見の安定感はもちろんのこと、戸村の救援転向と前後してローテ入りした菊池、辛島の好投も見逃せない。
 特に辛島は白星を挙げた5月22日西武戦、5月29日巨人戦ではいずれもチームの連敗を止める活躍で、窮地を救った。抑えの松井裕は負けなし1勝13セーブ。リードした展開で登板した14試合ではいずれも27個目のアウトを取りチームの勝利を確定させ、0-0または同点で登板した7試合でも1度も失点することなく、任務を完遂する仕事ぶりだ。5月22日以降の16試合、投手陣が5点以上失ったのは1度だけで、この間の平均失点は2.94(交流戦は3.00)。打線は得点力不足だが、投手陣による必死の失点抑止の好投で、白星をタフに拾っているという構図だ。

 打線では中軸・中川、一塁・伊志嶺に象徴される、それまで脇役だった選手のガムシャラなアピールと、松井稼や後藤らベテラン勢の要所での槍働きが光る。6月3日阪神戦、2軍でも守ったことのない一塁に伊志嶺を起用。ここまで一塁スタメン5試合で守備を無難にこなし、打っては20打数8安打の打率.400。5戦全試合でヒットを放ち、6月7日広島戦では初の5番にも座った。

 銀次が帰ってくるまで、とにかく諦めない気持ちと粘り強い戦いが必要だ。スマートな勝ち方、ド派手な圧勝劇は不要、泥臭く白星を拾う野球を。前半戦は残り26試合。幸いにもホームゲームが16試合と多く、東北ファンの声援を追い風に地の利を有して戦うことができるのは、好材料だ。

 6月9日DeNA戦で延長12回サヨナラ本塁打を一閃したペーニャも5月20日以降は34打数11安打の打率.324と結果が出てきた。2軍調整中の聖澤もコンスタントに快音が飛び出すようになり、サンチェスはファームで5試合連続安打。この間、1試合2安打が3度と打棒も上向いてきた様子だ。聖澤、サンチェスの1軍合流、銀次の故障復帰まで、投手陣をメインにした一致団結のデーブボールでペナントレースにくらいつけるかが今後のカギになりそうだ。

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