大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



子どもの野球人口に危機感 「ベースボール型」授業で野球の魅力を伝えたい

プロ野球12球団と一般社団法人日本野球機構が、全国の小学校で野球、ソフトボールなどの経験がない先生でも体育の「ベースボール型」授業を気軽に行うための手助け、環境作りを目的とした「みんなが輝く やさしいベースボール型授業」指導用教材(DVD付)を制作した。その教材は5月に全国約2万1,000校の小学校に無償配布された。制作に込められた意図や、願いを日本野球機構・野球振興室室長の平田稔氏に伺った。

2015/06/13

text By



必修科目の期限は「10年」

ベイ
――先生に向けた指導者講習会も開いていると聞きました。

 毎年1回、教員のための指導者講習会も開催しています。今年が4回目になります。7月22日に西武プリンスドームで行うことが決まっています。1、3回目は西武ドーム、2回目は福島でやりました。全国各地でできるようにしていきたいと考えています。

――少子化の影響、さらにはサッカー人気もあり、子どもたちの野球人口は年々減少していると言われています。このあたりの危機感は、どのように感じていますか。

 昨年から、定期的に12球団の野球振興担当者と日本野球機構で話し合いを行う機会をもっています。そして球団や日本野球機構が小学校をまわりイベント等を行っています。野球人口はたしかに減っています。全日本軟式野球連盟さんの調べでは、2011年から14年の4年間で2100もの学童野球チームがなくなっているのです。

――それは驚きの数字です。野球とサッカーで考えてみると、サッカーはボール1つで遊べることもあり、幼稚園や保育園からやっている子が多いように感じます。「ベースボール型」授業を幼稚園や保育園にまで伝えていくという考えはあるのでしょうか。

 当然、大事なことではありますが、われわれとしてはまずは必修科目である小学校でのベースボール型に力を入れていきます。じつはベースボール型の必修も、これからずっと続くわけではなく、『10年』という期限があります。10年経ってから、再度検討することになるわけです。

――それは知りませんでした。今は前半の4年が経ったわけですね。

 はい、必修科目として定着するためにも、先生方の授業の手助けをしていければと考えています。

――ベースボール型、そして野球の面白さがさらに広まっていくことを楽しみにしています。どうもありがとうございました。

———————–
平田稔(ひらた・みのる)
一般社団法人日本野球機構 野球振興室室長

◆「みんなが輝く やさしいベースボール型授業」指導用教材

小学校3年生~6年生の体育で「ベースボール型」授業を気軽に行うための手助け、環境作りを目的とした、先生方への指導用教材(DVD付)
授業の時限単位、学年ごとの進め方などを分かりやすいイラストを用いて丁寧に説明。DVDでは実際の授業を行っている場面を収録し、動作や児童への声かけなど指導のポイントを分かりやすく確認することができる。全国約21,000の小学校に無償配布の他、都道府県、市町村教育委員会へも配布を行った。

ベースボールチャンネルのフェイスブックはこちら→
ベースボールチャンネルのツイッターはこちら→

1 2