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「ピタゴラス勝率」から何が見える? 接戦に強いチームがペナントを制すの意味【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、「ピタゴラス勝率」と実際の勝率を算出して、各チームの勝負強さを測った。

2015/05/22

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ピタゴラス勝率とは?

 ペナントレースは3分の1弱を消化し、これから交流戦が始まる。各球団の様相も見えてきた。
 今年のNPB12球団はどんなチームなのか、チームの勝負強さという点で分析してみたい。

「ピタゴラス勝率」というセイバーメトリクスの指標がある。数式は簡単だ。(得点の二乗)÷(得点の二乗+失点の二乗)で出る。ピタゴラス勝敗は、(実際の試合数―引き分け)×ピタゴラス勝率で勝数を算出し、これを四捨五入する。敗数は(実際の試合数―引き分け)―ピタゴラス勝数で出す。
 簡単に言えば「得失点を勝敗に割り振るとどうなるか」という数字だ。「ピタゴラスの定理」と似た数式なのでそう呼ばれる。MLBの記録サイトでは一般的な指標として用いられる。

 今季のNPB両リーグの21日試合終了時点までの勝敗とピタゴラス勝率を並べてみる。

広尾様0522表1

 パリーグは、1~4位まではピタゴラス勝率と大きな差はない。5位の楽天と6位のオリックスがピタゴラス勝率では逆転する。これは得失点数から算出した結果のみでいえば、オリックスが楽天の上に来てもおかしくないということだ。

 セリーグは、すべてのチームが実際の勝率とピタゴラス勝率に大きなかい離がある。得失点差でいえば、最下位の広島は首位を走っていてもおかしくない。2位は中日、3位巨人、4位DeNA、5位ヤクルト、6位が阪神だ。

 この差は、端的に言えば「接戦に強いか、弱いか」の差だ。0-10で大敗した翌日に1-0で勝てば得失点差はマイナス9だが、勝敗は1勝1敗。接戦で勝負強いか否かが、こうしたかい離につながっている。

接戦に強いチームが上位に

 今季の勝敗を得失点差別に並べてみよう。まずは、パリーグだ。

広尾様0522表2

 上位のチームは3点差以内、とりわけ1点差勝負に強く、松井裕樹がクローザーを務める楽天を除き、ロッテやオリックスとは1点差勝負で負け越している。
 オリックスは実に1勝10敗。昨年の「勝利の方程式」だったリリーフ陣が総崩れになり「1点差勝負」で負けていることが下位低迷につながっている。日本ハム、西武は3点差以内の試合が53.5%と少ない。これは「大勝、大敗」の試合が多いことを意味している。

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