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淺間、有原ら成長の足掛かりに 正念場をエース大谷で踏ん張った若きファイターズ

5月14日、強打の西武を振り切った一戦は今季振り返ったときに、ターニングポイントにあげられる、価値ある勝利になるかもしれない。

2015/05/18

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大谷の言葉の意味

 この重要な一戦をファイターズはモノにした。勝利の立役者は言うまでもなく大谷。20歳の若者は、紛れもないエースの働きを見せ、チームを勝利に導いた。

 大谷だけではない。
「このゲームは絶対に落とせない」
 そんな集中力、執念がチームにみなぎっていた。

 目の前で中田が敬遠されたハーミッダが値千金の2点タイムリーを放ち、1点差に追い上げられ、1死3塁の大ピンチでマウンドを託された増井が、これぞ守護神という気迫あふれる投球を見せた。ライト前ヒットをタイムリーにしてしまったルーキー淺間も、最後にメヒアの際どい打球を死守し、大谷の白星を守り抜いた。
 若いナインが重苦しいプレッシャーを必死になって撥ね返した、それは大きな意味のある勝利だった。

 お立ち台に上がった大谷は、「明日は有原さんが先発します。ぼくが勝ったら絶対に勝ってくれると言ったので、絶対に勝ってくれると思います」と話して札幌ドームを盛り上げた。

 その言葉は、一部メディアで「ルーキーへプレッシャー」というふうに取り上げられたが、逆だと思う。大谷は自らの投球によって連敗を止め、次に投げる年長ルーキーのプレッシャーを軽減したのだ。
 5連敗中、大谷も負けた……。そんな中でプロ初登板を迎えていたら、有原はあの落ち着いたピッチングができただろうか。

 若い、いや、若すぎるチームは序盤戦のひとつの試練を乗り越えた。大谷がエースの自覚を持って西武の強打線に挑み、バックも研ぎ澄まされた集中力でエースを盛り立てた。
 こうした「絶対に落とせないゲーム」を制することで、若いチームは大人へと成長していく。

 もう一度、書く。
 5月14日の勝利は、実りの秋につながる大きな一里塚になるかもしれない。そしてプロのキャリアを歩み始めたばかりの淺間は、この日を忘れることはないだろう。翌日の有原もまた。

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