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ジャイアンツ・橋本到の原動力は『悔しさ』

プロ7年目を迎えた24歳・橋本到がレギュラー獲得に向けて奮闘している。攻守にわたって存在感を示し続けており、今や巨人にとって欠かせない戦力になりつつある。

2015/04/26

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今季こそ定位置確保なるか?

 実際に昨シーズンは自身にとってプロ初の開幕スタメンをつかみ自己最多の103試合に出場したが、8月にはプロ野球史上15人目となる1試合5三振を記録するなど打撃面の荒さも目立った。
 原辰徳監督が浮き沈みの大きい橋本のバッティングについて何度となく報道陣の前で「到は工夫しないといけない」と名指ししながら苦言を呈していたのは、まだ記憶に新しいところだ。しかし今になって冷静に考えてみると、どうもこの指揮官の〝口激〟はスランプにハマりやすい橋本を一念発起させるための作戦であったような気がしてならない。

 同期のライバル・大田に目を掛ければ、きっと嫉妬心を抱いてヤル気もみなぎらせるに違いない。そしてその大田が負傷して外野手争いから脱落したにも関わらず、開幕から僅か4日後に二軍降格を命じたのも実は「慢心するな。悔しかったら這い上がって来い」という無言のメッセージだった――。そういう読みや狙いが原監督の心中にはあったからこそ、あえて橋本に厳しい姿勢を見せ続けていたのではないだろうか。

 だが橋本の3番抜擢をプッシュしたのは他ならぬ原監督だ。
 インフルエンザで療養中の自らに代わり、16日のDeNA戦で指揮を執った川相昌弘ヘッドコーチに相手先発・高崎健太郎との相性の良さもあったことから電話で進言。とはいえ、二軍では10試合で打率.233と数字だけ見れば決して好調とは言えなかった橋本の一軍昇格にゴーサインを出したのは、悔しさをバネにリベンジの炎を燃やしている彼の心中をしっかりと感じ取ったこともあるはずだ。

 いずれにしても、巨人の外野が激戦区であることに変わりはない。これから先も〝内なる戦い〟は続く。悔しい思いを経て精神面でも成長を遂げた橋本が、このあとどこまで結果を残すことができるだろうか。

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