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低打率なのに、脅威の生還率! 千葉ロッテ打線に荻野貴司が必要な理由【ほぼ週刊マリーンズ#2】

昨季はシーズン途中に10連敗も喫した難敵・ファイターズとの2連戦を、なんとか五分で切り抜け、今日からはひさびさのホームで、同率3位・ホークスとの3連戦。そこで今回は、デスパイネの合流でようやく役者もそろったマリーンズ打線のカギを握る、荻野貴司の隠れた“実績”について書いておきたい。

2015/04/17

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「貯金2」の壁越えは、実は“持っている男”荻野の活躍次第!?

 しかも、そんな荻野の意外なまでの“得点力”の高さは、これまでチームが挙げた8勝のうち、実に6勝までもが、彼自身が得点にからんだ試合、という事実によっても如実に証明されている。

 実際、4月14日のファイターズ戦で、2-1の1点リードで迎えた8回表に、試合を決める貴重な追加点のホームを踏んだのは他ならぬ彼だったし、負ければズルズル行く可能性もあった9日のバファローズ戦でも、同点で迎えた9回表に、先頭打者としてヒットで出塁&決勝点となる勝ち越しのホームを踏んだのも、やはり彼。

 人気野球ブログ『野球の記録で話がしたい』の広尾晃氏も、「1番打者の生還率」を取り上げた当サイトの記事(http://www.baseballchannel.jp/npb/5019/)
で、マリーンズのそれがリーグトップであることを指摘していたように、荻野のこうした“得点率=生還率の高さ”こそが、下馬評を覆すチームの健闘ぶりを下支えしていると言っても過言ではないというわけだ。

 ただ、いくら目にはつきにくいところで“仕事”をしているとは言っても、肝心の目につく成績がずっとこの調子なのも、それはそれで困りもの。本来は、1・2番に固定されて然るべき荻野&大地のコンビには、最低でも打率2割5分以上、3割を超える出塁率は、常時キープしてほしいというのが、大多数のファンの偽らざる気持ちでもあるだろう。

 そのためにも、ただでさえ早打ちなうえに、三振もヒットと同数をマークするなど、あっさり凡退してしまう場面も多々ある我らが荻野には、ひたすらファウルで粘って相手投手にムダな球数を放らせるといった、1番打者らしいイヤらしさも、今後はぜひとも身につけてもらいたいところ。

 彼自身がそれらを実践できるようになってくれれば、待ちに待った“4番”デスパイネを加えたマリーンズ打線の攻撃力は倍増。「出塁すれば盗塁で自動的に得点圏」というリーグ屈指の走力を活かしたその持ち味は、現在の何倍も、相手チームにとっての脅威となるに違いない。

 まぁもっとも、それで怪我でもされた日には、元の木阿弥。彼のことをシーズンフルで観ていたい僕らは、何だかんだでそこがいちばん心配だったりもするけれど……。

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