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犠打数0の不思議 攻撃的2番・田中賢介を確立させた、開幕戦のバント失敗【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#2】

コラムニストのえのきどいちろう氏は、チームが日本ハムファイターズとなった1974年以来の生粋のファイターズファンだ。2015年シーズンの開幕にあわせ、ファイターズ愛あふれるコラムを定期連載でお届けしていく。

2015/04/16

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田中賢介が打線を「点」でなく「線」にする

 開幕から全チームとひと当たりして、2巡目の対戦が始まった。うれしいことにファイターズは首位を快走中だ。本稿執筆の4月16日現在、15試合消化して11勝4敗の貯金7。「53年ぶりの開幕4カード連続勝ち越し」がニュースになったくらいだから、半世紀に一度級の開幕ダッシュに成功したことになる。

 好調の要因は打線の活発さにある。
 先発ピッチャーはわりと先制点を許しているのだ。それをひっくり返して勝っている。ファイターズは今季、スタメンが大幅に若返ったから逆に出る目もあったと思うのだ。うまく波に乗って、相乗効果でグングンいい目が出ている。若いチームは伸び伸びやれるか、最初につまずいて自信喪失するかでぜんぜん違う。僕は不振にあえぐオリックスをとても他人事とは思えない。負けが続いて(稲葉篤紀からリーダー役を引き継いだ)中田翔が重圧に苦しみ抜くストーリーだって十分あり得たことだ。そこは紙一重の差じゃないでしょうか。

 僕なりにこの3週間ほどをふり返ってみると、田中賢介がキーパーソンだなぁとしみじみ思う。3年ぶりにアメリカから戻った賢介が、打線を「点」でなく文字通り「線」にしてくれている。ここまで打順は2番と3番を務めているが、「つなぐ」バッティングも「返す」バッティングも文句ない。ヤングファイターズをけん引しているのは賢介なのだ。

 同じアメリカ帰りのオリックス・中島裕之と比較すると、まず古巣復帰というだけで圧倒的に賢介が有利だ。勝手知ったる環境のなかでキャンプから調整を重ねられた。アメリカ時代はウエイトを増して、パワーヒッティングに挑戦していたというが、日本球界復帰に合わせ体をしぼった。元々、田中賢介は「巧打者」「業師」タイプである。「つなぐ」「返す」でいえば「つなぐ」ほうに本来の姿があった。だからキャンプ、オープン戦を通じていったんスモールベースボールに適応できる状態まで、自分のスタイルを戻したのだと思う。これはオリックス打線のなかで「返す」バッティングオンリーを期待され、常に結果を問われる中島と決定的に違う。

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