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黒田博樹は「打者にとって厄介な投手」。相手打線は思い切った極端な対策が必要だ【与田剛の眼】

日本球界復帰後初のマウンドとなった3月30日のヤクルト戦で、7回を5安打無失点に抑え、勝利投手となった黒田博樹。4月4日の中日戦では初黒星を喫したが、7回を3安打3失点と試合を作った。2試合を見た解説者の与田剛氏は、黒田のピッチングにどんな印象を受けたのだろうか。

2015/04/05

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チームとしては極端な対策が必要

 オープン戦の時に比べて真っすぐの球威が増しているように感じました。特に、オープン戦でも対戦したヤクルト打線は、ストレートに押されている印象を受けました。おそらく打者はツーシームを張りつつ、ストレートが来ても対応できると思っていたのではないでしょうか。しかし、オープン戦の時よりも球威が増していために対応が遅れた。そのため早くタイミングを取ろうとすると、今度はツーシームを引っ掛けてしまう。最後まで的を絞り切れていませんでした。

 これから黒田と対戦するチームは、思い切ったことが必要だと思います。黒田は左右高低、ボールを動かしながらストライクゾーンで勝負してきます。しかも、ストレートとツーシームはなかなか見分けがつかない。

 たとえば、コースを絞って打つとか、時折投げてくるカーブに山を張るとか、極端な対策が必要になってくると思います。スイングスピードが速くて、力のある打者はギリギリまで見極めて打つことも可能ですが、そのような日本人打者は数えるほどしかいません。いずれにしても、個人で対策を立てるのではなく、チームとして攻略法を考えていくべきでしょうね。

 2試合を見た感想は、ボールを動かしてくるという意味では外国人投手に近い印象を受けますが、制球力の良さ、精度の高さは日本人投手。打者にとってはものすごく厄介な投手であることは間違いないと言えます。

与田剛(よだ・つよし)プロ野球解説・評論家

NTT東京を経て、89年にドラフト1位で中日ドラゴンズへ入団。1年目からリリーフで活躍し、新人王と最優秀救援投手に輝く。その後は故障に泣かされ、00年に現役引退。引退後は、NHKのサンデースポーツのキャスターや社会人野球、女子チームのコーチなどを経験。2009年、2013年のWBCでは日本代表の投手コーチを務めた。

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