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「ストライクゾーンで勝負できる」黒田博樹、あとは低めの球の精度向上を【与田剛の眼】

黒田博樹のオープン戦登板内容はまさに順調そのものだ。野球解説者の与田剛氏は、日本の環境に早くもアジャストできていると、活躍に太鼓判を押す。

2015/03/16

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 8年ぶりに古巣復帰を果たした黒田博樹。キャンプこそ、チームに合流したのは2月中旬と遅かったが、オープン戦ではさすがのピッチングを披露した。3月8日のヤクルト戦は、4回1/3を無安打、無得点。打者13人を完璧に抑え込んだ。そして中6日で迎えた15日のオリックス戦では、ブランコに2ランを浴びたが、6回を2失点と安定感のあるピッチングを見せ、シーズン開幕に向けて順調な仕上がりを見せている。
 
 はたして、黒田のピッチングは野球解説者の目にどのように映ったのか。与田剛氏に解説してもらった。
 

日本の環境に再びアジャストしている

 彼の持ち味であるコントロールの良さというのが、はっきりと表れていました。ヤクルト戦ではボールを低めに集めることを意識し、ほぼ狙い通りに投げられていたと思います。
 
 メジャーから日本に戻ってきた時に、ボールやマウンドの違いなど、再びアジャストしなければいけないことはたくさんあるのですが、ここまでの黒田のピッチングを見ている限り、そこの部分に関してはまったく問題がない。しっかりボールも動かせていますし、フォームの乱れもない。うまくアジャストできていると思います。
 
 ヤクルト、オリックスの2試合を見て感じたことは、ストライク先行のピッチングをしているな、ということでした。日本の打者はメジャーに比べてパワーで劣りますので、アメリカにいた時より長打に対しての警戒が少ない。なので、コーナーギリギリを狙うのではなく、しっかりストライクゾーンで勝負できていた。
 
 黒田にしてみれば、高めに抜ける球さえ投げなければ、そう長打は気にしなくていいと思っているのではないでしょうか。そうしたピッチングが球数(ヤクルト戦は4回1/3を39球、オリックス戦は6回を77球)にもはっきりと表れていましたよね。いい意味で大胆に攻めることができていました。

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