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オランダのエースから見た、侍ジャパン

「ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表」の第2戦が11日、東京ドームで行われる。すでに欧州代表の先発はオランダのディエゴマー・マークウェルと発表されているが、前日の10日に第2戦への意気込みなどインタビューに応じてくれた。

2015/03/11

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WBCで大番狂わせを起こしたオランダのエース

「ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表」の第1戦は4-3と大方の予想を覆して、侍ジャパンの辛勝スタートとなった日欧野球。
 
 今回のメンバーのほとんどは実際に欧州各国のリーグでプレーしていることから、欧州野球のレベルが決して侮れるようなものでないことは、日本の野球ファンも実感したのではないだろうか。振り返ってみれば、オランダやイタリアはこれまで国際大会においても「大物食い」を何度も演じている。
 欧州勢初のベスト4に進んだ前回のWBCのオランダもそうだった。第1次ラウンドで韓国を、第2次ラウンドでキューバを倒すという大番狂わせをやってのけているが、この両ゲームの先発マウンドに立ち、勝利投手となったのが、ディエゴマー・マークウェルだ。
 
 オランダ領キュラソー出身のカリビアンで、1997年にトロント・ブルージェイズと契約し、2Aまで上り詰めたが、2004年にはオランダ本土にプレーの場を求め、その後、台湾やベネズエラでもプレー、アテネオリンピックで代表デビューすると、その後、3回のWBCではすべてメンバー入りし、今回も名門、ネプチューンズのエースとして、欧州代表に名を連ねた。その「ミスターオランダ」とも言える彼に、第1戦の後、話を聞いた。
 

日本の野球はバントが多いのが特徴的

――日本の印象はいかかですか?
 今回が2回目なんだ。前回のWBCで東京に初めて来ました。日本の人たちが非常に温かく迎えてくれたことを覚えています。日本戦にはアテネで投げましたが、それからは対戦はありませんね。前回、2013年のWBCでは、僕は日本戦には投げずにベンチで見てただけでした。しかしキャッチャーで4番を打っていた阿部選手(巨人)が一番印象に残っています。その時の印象としては、さすがにプロの集団だけあって、洗練されているってことですね。
 
――今回のシリーズに際して、侍ジャパンで対戦してみたいバッターはいますか?
 実は、今回のメンバーのことはよく知らないんです。坂本選手(巨人)、中田選手(北海道日本ハム)は、前回のWBCに名前を連ねていたので、彼らがいいバッターだということは知っています。もちろん日本の野球のビデオは見てきました。打者よりも、いろいろなタイプのピッチャーがいることに驚きました。
 
――では、その侍ジャパンと対戦する今回の欧州代表のアピールポイントを教えてください。
 多くの選手が、世界中のいろいろな国でプレーしてきています。国際経験は豊富です。あと、シャイロン・マルティス(10日の試合、リリーフで登板)、フェルナンド・マルティネス、ユレンデル・デカスターはメジャーでもプレーしていますし。そういうレベルの高い選手も結構いることに注目してもらいたいですね。
 
――マークウェル選手も様々な国でプレーしてきましたね。
 そうですね。カナダ、アメリカ、台湾、ベネズエラ、そしてオランダで投げてきました。
 
――やはり国によって野球も違ってくるのでしょうか?
 僕が生まれたキュラソーなんかは、まったくのラテン野球ですね。ベネズエラのウィンターリーグでは、首都カラカスのチームでプレーしたんですけど、あそこは、元メジャーリーガーがたくさんいましたので、ハイレベルな競争ができたと思いますし、自分自身にとってもいい経験でした。あそこは観客も、日本のプロ野球と同じくらい入るんですよ。
 日本の野球を見て際立っているのが、やっぱりバントの多さ。ゲーム運びという点において、非常に優れていると思います。台湾の野球も日本と似ている感じがしましたが、まだまだ組織化されていないですね。
 オランダに関して言えば、アンティル諸島と本土の野球はずいぶん違います。先ほども話したように故郷の野球は、完全にカリビアン・ベースボールですが、オランダ本土の野球はもっと組織的です。そういう点は、サッカーと共通してるんではないでしょうか。

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