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選出が難しい? 大瀬良、田中広、又吉、三上、ハイレベルなセリーグ新人王争い

今季のペナントレースも各球団残り20試合前後となった。両リーグ優勝の行方とともに気になるのが個人タイトル争いだ。本塁打王、最多勝など成績に関するタイトルも注目だが、今回はセ・リーグの新人王争いについて考えてみたい。

2014/09/18

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先発陣の不調を三人の若きリリーフ陣が支える中日

 5位に低迷している中日。投手王国とも言われたチームの象徴的存在だった浅尾拓也や高橋聡文、そして鉄腕の岩瀬仁紀までもが離脱する中、三人の若きリリーフ陣が奮投している。トヨタ自動車からドラフト5位で入団した祖父江大輔は52試合に登板し0勝3敗11ホールド、防御率は2.72。チームが勝っている状況でも負けている状況でも登板し、ブルペンで貴重な存在となっている。
 
 プロ入り2年目ながら新人王資格(*)がある福谷浩司は、セ・リーグ最多の66試合に登板し0勝4敗32ホールド7セーブで防御率1.86。コンスタントに150キロ以上を記録するストレートを軸に相手打者を力で圧倒する。67回2/3を投げ、被本塁打が2本しかないのもリリーフとして心強い数字だ。
 
 祖父江、福谷以上の成績を残していると言えるのが又吉克樹だ。環太平洋大学から独立リーグの香川オリーブガイナーズを経てドラフト2位で中日に入団した又吉は、61試合に登板し9勝1敗19ホールド、防御率2.18。1イニングあたりに許した走者の数を表すWHIPは0.94。40試合以上登板しているセ・リーグの投手の中で、呉昇桓(阪神)の0.93に次ぐ成績だ。
 
 奪三振率は、驚異の11.38と呉やマシソン(巨人)よりも高い。シーズン序盤は、チームが負けている状況での登板が多く、2軍落ちも経験したが7月以降はセットアッパーとして定着。7月14日の阪神戦から17試合連続無失点と抜群の安定感を見せた。開幕から6月末までの防御率は3.98だったが、7月以降は0.84。岩瀬が離脱して以降、又吉と福谷がしっかりと勝ちパターンの役割を果たしている。
 
 先発ローテを守り、チームが優勝争いする中でも好投を見せた大瀬良。チームは低迷しているものの、リリーフで圧倒的な数字を残している又吉。セ・リーグの新人王争いは、この二人に絞られるのではないだろうか。
 
(*)新人王資格=初めて支配下登録されてから5年以内で、前年までの出場が投手は30イニング以内、野手が60打席以内の選手。

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