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楽天・西田骨折で混沌 存在感増すベテラン山崎・後藤のショート争い

正遊撃手の期待が集まる西田哲朗。しかし打撃練習で自打球を左足甲に当てて骨折。開幕微妙となり、遊撃のポジョション争いが一気に混沌としてきた。

2015/02/17

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デーブボールを垣間見た紅白戦

 大久保監督が「満点」と評価してきた楽天の春季キャンプ。1軍は12日久米島での練習を打ち上げ、翌13日に沖縄本島入りしている。今年の久米島キャンプは本当に順調だった。肌寒い日は目立ったものの、降雨で屋外練習が中止になるケースはなかった。2013年は8日と11日が雨天で室内での練習を余儀なくされ、2014年は10日が降雨のため屋外活動中止、12日は紅白戦も中止に追い込まれるなど悪天候の影響を受けてきた。そのことを考えると、今年は天候に恵まれた。
 
 序盤から見所も多かった。フィールドを効率良く使用した3カ所同時の投内連携など初日からアイデアも。面白さが増したのは、外野レギュラー争いだ。
 
 松井稼がセンターに挑戦することで、特に聖澤(2010年以降563試合で中堅先発出場)が相当の危機感で紅白戦でアピールした点は、首脳陣もニンマリの朗報だ。その紅白戦ではこの2年間少なかった盗塁やエンドランが多く見られ、機動力を駆使したデーブボールを垣間見ることもできた。
 
 他には非公開の室内練習も頻繁に実施。他球団でもお目にかかれない細かなサインプレーを確認したという。最終日の監督インタビューによれば、データを参考にした大胆な守備位置、ローリスク&ハイリターンで相手に考えさせるシフトも実施するとの話で、昨年とは違った野球を随所に目撃することができそうだ。

西田離脱、紅白戦で結果を出した山崎

 残念だったのは、正遊撃手の期待が集まる西田哲朗の離脱だ。3日目の打撃練習で自打球を左足甲に当てて全治6~8週間の骨折。開幕微妙となり、遊撃のポジション争いが一気に混沌。暗雲立ち込めそうな雲行きになっている。
 
 シートノックでは新外国人ウィーラーがショートストップで球を追うこともあった。しかし昨年3A26試合で残した遊撃守備率.926を考えると心もとない。何よりサンチェスとともに打って貰わないとならないため、守備で負担を背負わせたくない。そんな中、存在感を増しているのが34歳の山崎浩司と、36歳の後藤光尊のベテラン両名だ。
 
 紅白戦3戦で、いずれも2番に起用された山崎は、複数球団渡り歩いてきた仕事人らしく、いぶし銀の活躍で3戦合計10打数4安打1打点1四球。岡島、聖澤と並ぶ3試合連続安打をマークした。
 
 特に初戦の右打ちは鮮やかだった。
 1回無死1塁、エンドランのサインにしっかり応えた打撃は、一走の三進を助ける一二塁間突破の右前安打になった。自身も続く銀次の右前適時打でしっかり3塁到達、直後の左犠飛でホームを踏んでいる。
 7日は1打席目に二走を本塁に呼び込むセンター返し。2打席目では追い込まれてから3度ファウルで粘るなどマウンド上の永井に9球投げさせての四球出塁。12日にはコースに逆らわず外角低めをうまく右前に弾き返すクリーンヒットもみせた。例年以上に攻守で細かなサインが増えると予想される今年の楽天、複数球団に重宝されてきたその経験は必須である。

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