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巨人、FA3選手獲得。最大の補強は小谷正勝コーチの復帰【小宮山悟の眼】

2017年となり、キャンプインまで1カ月を切った。2016年オフFA権を行使して移籍した5人のうち3人が巨人入りとなった。

2017/01/08

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選手の移籍は活発化されるべき。見逃してはならないタンパリング

 さて、最後に、今オフの移籍に関して小言を一つ。
 
 個人的に、移籍戦線において、見逃せない出来事があった。あるFA権を有した有力選手に対して、他球団の編成担当が、「うちのチームにフィットする。手をあげるなら、考えなければ」という記事がスポーツ紙に載ったのだ。
 これは、明らかにタンパリングの筈である。そんなコメントをメディアに対して口にするのはどうかと思う(もしかしたら、わざとコメントを発し、メディアを使ってメッセージを送っているのかもしれないが)。
 
 また冒頭で今オフにFA移籍した5選手を紹介したが、この5人という数をどう考えるか。私は非常に寂しい数字だと思う。相変わらず日本球界の移籍市場は活発化しない。
 
 メジャーと違い、日本球界では、獲得した権利を「行使する」と宣言しなければFAにならないという点が、活発化しない主な原因だが、それにしても少なすぎる。
 
 球団がどういうビジョンを持ち、予算内でどういう選手を獲得してチームを編成していくのか。そういう点に注目するのも、プロフェッショナルの野球を見る上での楽しみの一つ。日本球界でも、もっと選手の移籍が活発に行われるようになってほしいものだ。
 

小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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