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神宮の芝生張り替えは、真中スワローズへの〝追い風〟となるか?

昨年は投打の極端なアンバランスが響いて2年連続の最下位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今年から指揮をとる真中満新監督はそのバランス是正、すなわち投手を中心としたディフェンスを強化することで、巻き返しを目指している。その一環として、オフにはFAで成瀬善久と大引啓次を獲得したが、今年のヤクルトにはさらなる追い風が吹きそうだ。

2015/01/11

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最下位の一因は神宮の芝にも?

 昨年のシーズンもそろそろ終盤に差し掛かろうという頃だった。東京ヤクルトスワローズの試合前の練習中、バッティングが好調のある選手に声をかけると、こんな言葉が返ってきた。
「神宮だから打てるんです。芝が速いんですよ。もうだいぶくたびれてきてますからね。引っ張ったら簡単に(内野手の間を)抜けていきますから。でも……」
 
 軽く冗談めかしながらも、その選手はこう続けた。
「来年は芝を張り替えると思うんで、ヤバいですよ。今のうちに打っておかないと。芝が替わったら、絶対に打率下がりますからね」
 
 芝を張り替えるというのは、その時点では初耳だった。だが、2007年オフの大規模改修以来、張り替えが行われていない神宮球場の芝生の状態が良くないのは、傍目にも明らかだった。
「だからウチのピッチャーの防御率が悪いっていいますけど、しょうがないんですよ。ゴロはみんなヒットになっちゃうし、球場も狭いし……。見ていても全然、違いますからね。ほかの球場ではけっこう抑えてるじゃないですか」
 
 昨年のヤクルトのチーム防御率を球場別で比べると神宮では4.83で、その他の球場では4.43。大差はないようにも見えるが、ホームグラウンドにおけるチーム防御率が他の球場よりも悪いのは、セリーグではヤクルトのほかにはDeNAしかない。
 
 チーム打率は神宮、その他の球場とも.279で変わらない。しかし山田哲人は神宮.357、その他.297、川端慎吾は神宮.328、その他.284、バレンティンは神宮.324、その他.285と、神宮で高打率を残した主力打者は多い(雄平、畠山和洋は神宮、その他とも打率3割以上)。
 
 極端な打高投低に泣かされて最下位に沈んだ昨年のヤクルト。壊滅的な投手陣の一因として、経年劣化の進んでいた本拠地・神宮の芝の影響もあったということだ。

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