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今オフの巨人FA戦略は? 90年代はセパ3球団の4番、00年以降は「優勝請負人」を積極補強

2位に終わった巨人にとって、ドラフトだけでなくFAも戦力補強の有効策だ。これまで多くのFA選手を獲得してきたが、果たして今オフはどう動くのだろうか。

2016/11/07

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00年以降、工藤、杉内、小笠原らがV奪還に貢献

 99年オフには、工藤公康(当時ダイエー)が2度目のFAを行使して巨人に入団。移籍1年目の00年は12勝(5敗)という成績で勝率は.706。最優秀投手やベストナインにも選出された。工藤はこの年の日本シリーズ制覇に貢献。02年も9勝(8敗)を挙げ、日本一の原動力となった。

 04年に10勝(7敗)、05年は11勝(9敗)と2年連続で2ケタ勝利を達成。04年は通算200勝も記録した。怪我で離脱した年もあったが、「優勝請負人」として、工藤が巨人に残した功績は大きいといえる。

 打者でいうと、工藤と同じ99年オフに移籍してきた江藤智(当時・広島)は、00年に32本塁打、01年には30本塁打を記録。2年連続で30本塁打を達成した。06年オフには小笠原道大(当時・日本ハム)が移籍。巨人在籍7年間で放った本塁打は138本。移籍1年目の07年~10年まで4年連続で30本塁打以上を記録した。2人ともリーグ優勝や日本一に貢献している。

 11年オフには横浜ベイスターズから村田修一、福岡ソフトバンクホークスから杉内俊哉を獲得。2人は現在でも巨人に在籍している。

 村田は移籍1年目の12年、打率.252、12本塁打に終わり、横浜時代の04年以来8年ぶりに20本塁打を切ってしまう。しかし、2年目からは打率.316、25本塁打と本来の長打力が復活。8月には月間安打数リーグ新記録となる46安打を放ち、リーグ制覇に貢献した。

 杉内は12年に12勝4敗の成績を挙げ、5月30日の楽天戦(東京ドーム)ではプロ野球史上75人目のノーヒットノーランも達成。リーグ優勝に貢献したが、左肩違和感の影響でポストシーズンの登板はなかった。しかし、この年から3年連続で2ケタ勝利を記録し、巨人の「18番」を背負った男は現在、右股関節手術からの復帰を目指している。

 ここ3年間、FAで獲得した選手は13年オフの片岡治大(当時・西武)、14年オフの相川亮二(当時・ヤクルト)が挙げられるが、共に結果を残せていない。今季2年連続でリーグ制覇を逃した巨人にとって、3年続けてのV逸は避けたいところだ。

 今オフFAを取得した選手の中には、糸井嘉男(オリックス)や山口俊(DeNA)といった投打で注目の選手が揃っているだけに、過去のような積極的な補強に動くのか注目が集まる。

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