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各球団の平均年齢とNPBの年代別構成から見える、過酷なプロ野球の競争環境と球団状況【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。2015年最初のテーマは、「ひつじ年」世代だ。

2015/01/04

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ソフトバンクと中日で約3歳差

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 
  毎年、私は正月には「年男」の選手を調べている。
 ベースボール・チャンネルにもその記事があったが、今年の1月時点では36歳の選手は11人、24歳の選手は65人。12年の間に6分の1に減るのだ。厳しい競争社会であるNPBで生き抜くのは、並大抵ではないことがわかる。
 
 NPBで生き抜くことの厳しさがいかなるものか。NPB選手の年代別構成を作ってみると、一目瞭然だ。
 2014年に支配下登録された選手の球団別、生年別構成。年齢は2014年時点のものだ。
 各球団の平均年齢、最年長、最年少選手も示した。すでに引退している選手もいる。なお、山﨑武司は引退試合のために数日だけ支配下登録されたが、これは除外した。赤枠は今年の年男で、選手名の赤字は育成選手だ。
 
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 最年長の49歳山本昌と、最年少の18歳岸本淳希は奇しくも中日のチームメイト。実に31歳の年齢差がある。
 40代の選手は全体の1.6%、30代は33.3%、20代は61.3%、10代は3.8%。20代の選手が一番多い。
 NPB全体の平均年齢は27.58歳。1軍出場選手の平均は28.8歳だから1歳強、若い。
 
 チーム別では中日が29.90歳で最も高い。山本昌だけではなくプレイングマネージャーの谷繁元信、和田一浩、小笠原道大、岩瀬仁紀と5人も40代の選手がいる。今年、川上憲伸も40歳になる。ずば抜けて平均年齢が高い。
 続いて阪神。最年長だった建山義紀は引退したが、30代後半の選手が11人もいる。
 この2球団は世代交代の時期を迎えている。
 
 一番平均年齢が低いのはソフトバンク。この球団は育成選手を中心に三軍を作っている。選手数も最も多く、20代の選手の比率も高い。人材も豊富だ。
 パリーグの最年長は日本ハムのコーチ兼任捕手の中島聡。ここ6年間での出場試合数は26試合に過ぎないが、1987(昭和62)年から現役生活を永らえている。昭和の野球を知る現役は山本昌と二人だけ。
 
 表は2014年時点なので反映できていないが、広島は今季黒田博樹が加わり、倉義和を5カ月抜いて最年長になる。
 
 選手寿命が延びている一方、若手選手にはシビアな戦力外通告も続いている。24歳の年男を迎える若手選手でも、ロッテの角晃多(巨人の元リリーフエース角盈男の次男)、ソフトバンクの鈴木駿也、DeNAの眞下貴之、モスカテルが昨年オフ限りで戦力外になった。
 入れ違えで2014年のドラフトで指名された24歳の選手も4人いる。
 若手として売り出し中の選手もいれば、育成枠の選手もいる。同い年のプロ野球選手と言っても、境遇は本当にさまざまだ。

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