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下位低迷・西武、山川ら若手選手が躍動も……本当の意味の育成は進んでいるのか?

下位に低迷する西武の若手選手たちが活躍している。しかし、なぜ、彼らはシーズン当初は輝けなかったのか。そこには育成に潜む難しさがある。

2016/09/23

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初の二けた本塁打をマークした”おかわり2世”山川穂高

山川が驚異的ハイペースで本塁打を量産

 若手育成の難しさを感じずにいられない。
 
 シーズン当初は輝きを見せなかった埼玉西武ライオンズの若手選手が躍動している。
“おかわり2世”と呼ばれてきた山川穂高が自身初の2ケタ本塁打となる14本のアーチを架け、俊足の金子侑司が50盗塁をマーク。ルーキーの呉念庭は持ち前のバッティングセンスを見せつけている。
 
 彼らがこのパフォーマンスを開幕から見せていたならば、西武がこの順位にはいなかっただろうと想像してしまう。
 
 とはいえ、シーズン途中からレギュラーを獲得して数字を積み重ねてきた金子侑の数字は信じきれるにしても、本当に育成が進んでいるかの判断を下すのは時期尚早だ。
 
 今季の西武は開幕当初から、チームに新しい血を入れようとしていた。
 それが長く穴を埋められなかった遊撃手に起用された外崎修汰や金子侑であり、一発を秘める山川だった。
 
 金子侑はやや出遅れたものの、外崎と山川はキャンプから存在感を示し、オープン戦でも結果を残してその座を確立を仕掛けてはいた。
 
 ところがシーズンが開幕すると、そううまくはいかない。
 打てない、守れない、走れない。
 外崎、山川の二人は次第、次第にその場を失い、2軍降格を余儀なくされた。
 
 その後、チームは低迷。主砲の中村剛也がケガや不調などで2軍降格をしている間に、山川は昇格。ようやくチャンスを得ていったが、6月末に今季初本塁打をマークしたとは言うものの、彼がホームランを量産し始めたのは8月14日のことだったのである。
 
 もちろん、彼がその8月14日から1カ月の間で11本の本塁打を量産したのは、評価に値することだ。山川は「2軍でやっていたことが上でも出せている。前半までとはそこが違います」と手ごたえを口にしている。
 
 しかし、悔やまれるのは、なぜ、そこまでかかってしまったかということなのだ。
 そこに育成の難しさが潜んでいる。
 
 山川の本塁打で思い起こされるのが、今季初本塁打を放った6月25日の千葉ロッテマリーンズ戦のことだ。結果的にはサヨナラ勝ちしたのだが、育成を考える上では非常に印象に残るゲームだった。
 
 この試合は、1回に3点を先制される苦しい展開だった。2回裏、5番・浅村栄斗が本塁打を放って反撃の狼煙を上げると、栗山巧・鬼崎裕司の連打で好機を作り、迎えたのが山川だった。ここで山川は逆転となる3点本塁打を放った。開幕から少し時間がかかったが、今季2安打目が初本塁打となり、山川が存在感を示したのであった。
 
 ところが、この後、チームが再逆転を許す。さらに、8回裏のことだった。2点ビハインドで、無死からまたも栗山と鬼崎で好機を演出。山川を迎えたのだったが、ここでベンチは山川に代打・渡辺直人を送ったのである。
 
 職人・渡辺直人は、きっちり初球で送りバントを決め、さらに、そのあと岡田雅利の代打・上本達之が適時打を放ち、2人が生還。西武は同点に追いついた。
 
 目前の勝利だけを考えれば、田邊徳雄監督の采配は間違いではない。その週は1勝5敗だった。
 だが、その日に初本塁打を放ち、ようやく芽を出し始めた山川がもう一皮むけるチャンスだという側面はなかったか。
 
 以降、山川は8打数1安打の成績に終わり6月30日に2軍へ降格されているのを見ると、若手が伸びていくチャンスが失われてしまったように思えて仕方なかった。
 
 もちろん、その背景には、シーズン序盤からチャンスを与えられながらも結果を残すことができなかった山川にも責任がある。
 
 だが、彼の今の活躍をみれば、もっと早い時期にという思いがするのである。

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shiro





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