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最大貯金はたったの「2」。あの戦力でよくぞ最下位を免れた!【ファンがつける、千葉ロッテマリーンズ2014通信簿】

いよいよ2014年も残すところあと数日。各球団のファンを代表して、担当ライターに今シーズンの通信簿をつけてもらう好評企画。第6回は、パリーグ4位・千葉ロッテマリーンズだ。

2014/12/22

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〝ファーム日本一〟を素直に喜べない貧打線

 年の瀬も押しせまるなか、補強&契約更改もあらかた終わり、あとは2月のキャンプインを待つのみとなってきた。来たるべきゴールデンイヤーを、すっきりとした気持ちで迎えるべく、今回は「通信簿」という形で、残念無念すぎた、2014年シーズンを総括しておきたい。

 ちなみに、採点ポイントは「野手」「投手」「ベンチワーク」「総合」の4項目で、各5点満点。それぞれの点数は完全なる独断と偏見なので、いろいろ想いはあれども、そこはご容赦いただきたい。

【野手2点】

 まずは野手から見て行こう。

 〝マリンガン〟などと呼ばれたのも今は昔。今季は規定打席に到達したのが、鈴木大地、角中勝也、今江敏晃、クルーズのわずかに4人で、チームトップの大地でさえ、打率.287どまり。野手陣については、規定未到達の全員をあわせても、3割を超えたのが途中加入のデスパイネただ一人と、巷で揶揄される〝総6番打線〟の異名にもついつい納得させられてしまう、お寒い結果となった。

 しかも、僕らが「怪我さえなければ盗塁王」と信じて疑わない荻野貴司は、〝春〟だけは無事に乗り越えたものの、脱臼と見せかけた骨折でまたも長期離脱の〝妖精〟と化し、2年連続でそこそこの成績を残してスタメン定着かと思われた根元俊一は、打率1割台の絶不調。例年なら少なくとも夏場までは好調を持続してくれるはずの井口資仁までもが、序盤から怪我に苦しみ、7月に思い出したかのように固め打ちをした以外はさっぱりで、スタメンの固定さえままならなかったのだから、これでは満足に戦えるはずもない。

 ついでに言えば、唯一の明るい話題だった〝ファーム日本一〟にしたって、その原動力となったのは、清田育宏や加藤翔平(とくに清田!)といった、本来ならばすでに1軍の主力になっていてもおかしくはない選手たち。角中以外は流動的だった今季の外野は、言わばスタメン奪取の絶好機でもあっただけに、そこに台頭してくる人材がいなかったのは、実に嘆かわしいことと言えるだろう。

 だいたい、育成枠をフルに活かして正式に3軍まで組織しているような、文字通りのファームチームであるホークスを相手に、ほとんど「1.5軍」と言ってもいい顔ぶれのマリーンズが勝つのは、むしろ当然の結果。〝弟の快挙〟は、しばしば聞かれる「2軍は強い」という言説(言い訳?)が、実際には「2軍と1軍の差がないだけ」であることを如実に証明してみせた出来事でもあったのだ。

来季がとにかく心配すぎる〝総4点台〟投手陣

【投手2点】

 ……と、うっかり毒づいてしまったが、ここからは気を取りなおして投手陣に目を移そう。

 成瀬善久、涌井秀章の2トップについては、もはや〝想定の範囲内〟だったとは言え、リーグ唯一のチーム防御率4点台という投手陣の不甲斐なさが、チームの低迷にも直結したことは否めない。

 今季、ようやく勝ちパターンのセットアッパーとして開眼、獅子奮迅の活躍をみせた大谷智久と、侍ジャパンにも選出された守護神・西野勇士が防御率1点台と気を吐いたのを除けば、主だった投手陣には2点台をキープできた選手もいない始末。先発ローテの6人だけに限ってみても、唯一の2ケタ勝利で新人王を獲得した石川歩以外の5人全員が4点台なのだから、そりゃあ、勝てるはずがないというものだ。一昨年の西野や古谷拓哉、中継ぎの服部泰卓といった、救世主的な存在が若手のなかから出てこなかったのも痛かった。

 移籍した成瀬の穴を埋めるに足る先発投手の補強をしていない現状では、イースタンで8勝(3敗)の黒沢翔太らのブレイクが期待できるにしても、ローテのコマ不足はすでに深刻。1、2番手に昇格する石川が、相手のエース級と当たるようになることもふまえれば、今季以上に厳しい戦いとなることは想像に難くない。

 とくに左の中継ぎ陣は、松永昂大を先発に再転向させる必要性を考慮すれば、今季1軍に登板したメンツで残っているのは先の服部、木村優太、中後悠平の3人だけと、いかにも脆弱な顔ぶれ。ここは成瀬マネーで、一刻も早く、僕らの〝希望〟となりうる投手の補強をしていただきたいところだ。

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