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チャレンジ制度導入準備を――コリジョン新基準適用も、本塁上のビデオ判定は減らない?【小宮山悟の眼】

22日から、コリジョンルールが新基準で適用開始となった。しかし、新基準関係なく本塁上におけるビデオ判定は減ることはないだろう。

2016/07/27

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コリジョンルールの基準変わったが……

 前回に続き、コリジョンルールの問題点と、7月22日から始まった新基準によるルール運用の影響について考察していきたい。
 
 繰り返しになるが、私の考えるコリジョンルールの問題点は、以下の2項目だ。
 
【1】 審判によって判定にばらつきがあること。
【2】 ビデオ判定によって、試合がストップしたり、試合時間が延長すること。
 
【1】については、前回、「新基準のルール運用でかなり改善されることが予測される」「コリジョンルールは、あくまでも捕手を守るためのものだという意識さえ統一されれば、審判の判断も定まっていく」という考えを述べた。
 
 いずれにせよ、後半戦では、コリジョンルールにおける判定の不公平を感じる場面は少なくなるであろう。
 
 では【2】についてはどうか?
 
 結論から言えば、新基準のルール運用だけでは、根本的な解決にはつながらないと思う。
 
 5月15日の中日―広島戦(ナゴヤドーム)で、次のようなプレーが起こった。9回表広島の攻撃。1死一、二塁の場面で、田中がライト前ヒットを放つと、二塁ランナーの安倍は三塁ベースを回りホームに突入した。クロスプレーの判定は「セーフ」。直後に中日の谷繁監督がベンチから飛び出し抗議。ビデオ判定の結果、判定が覆り、アウトの結果に。中日の田島の開幕からの無失点記録は継続されることになった。
 
 アウトかセーフか、確かにきわどいタイミングだったが、明らかにコリジョンルールが適用されるプレーではなかった。それなのにビデオ判定をしたのはなぜか?
 
 疑問に感じたので、試合の翌日、NPB規則委員長へメールで質問したところ、次のような返信があった。
 
「今シーズンから本塁での衝突プレーと同じく、本塁でのプレーが、審判員が疑義を感じた場合には、リプレー検証ができるとなりました。…(中略)…それは審判会、セパの理事会で決まりました。昨日の試合では、球審がタッチがあったような……という疑義を感じたのでリプレー検証をしたのです。…(中略)…今回もそうですが、監督の抗議があったからリプレー検証したのではありません。それだけは理解をお願いします」

【次ページ】ビデオ判定の問題点
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