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コリジョンルール新基準運用で混乱はおさまるか?「捕手を守る」意識統一で判定を【小宮山悟の眼】

今季導入されたコリジョンルールをめぐって、前半戦は物議を醸した。そこでNPBは運用法を見直し、22日の試合から新基準で適用すると発表した。

2016/07/22

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新ルールの問題点と変更点

 今季から導入されたコリジョンルールが、その運用法を巡って物議を醸している。
 
 捕手と走者の衝突を防止するための新ルールは、導入以前からある程度の混乱が懸念されていたが、今季前半戦でその杞憂は現実となってしまった。
 
 混乱を招いている問題点は、以下の2点に絞られるだろう。
 
① 審判によって判定にばらつきがあること。
② ビデオ判定によって、試合がストップしたり、試合時間が延長すること。
 
「これまでは完全にアウトになっていたタイミングのケースが、セーフになる」という違和感は、大した問題ではない。慣れることで、いずれは解決できるからだ。
 
 だが、審判の判定基準が統一されなければ、当然、試合は混乱してしまう。そして、映像検証でたびたび試合が中断するようでは、試合への興味を失わせることにもつながる。
 
 問題の早期解決を図るためにNPBは、7月16日に臨時の規則委員会を開催。選手会とも交渉を重ねて、22日の試合より新しい基準でコリジョンルールを運用すると発表した。
 
 運用法を見直すだけなので、ルール自体が変更になるわけではない。
 
 これまでは、捕手がランナーの走路に入ったかどうかを厳格に適用してきたが、これからは「走者が明らかに守備者に向かい起きた本塁での衝突プレイや、守備者が明らかに走者の走路を妨害して起きた本塁でのプレイ(衝突を含む)」(※NPB発表の原文まま)の場合に適用されることになる。つまり、例えば送球が逸れて、捕手がランナーの走路に入らなければ捕球できなかった場合には、適用されなくなるわけだ。
 
 これで問題が完全に解消されるかどうかさだかではないし、シーズン中の導入に賛否もあるだろう。ただ現状よりもスムーズに試合が進むようになることだけは確かだろう。
 
 特に2つの問題点のうち、①の審判によって判定にバラツキがある点に関しては、かなり改善するのではないか。
 
 そもそも、何のためにコリジョンルールが導入されたのか?
 
 このポイントを抑えられれば、審判の見解も統一されるはずだ。

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