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苦境打破へ、「4番長野」が握る由伸巨人の命運【死亡遊戯コラム】

7月に突入しても、巨人の苦しい戦いは続く。そして現在4番を任される長野久義の状態がなかなか上がってこない。

2016/07/02

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長野の復調なくして巨人の浮上なし

そんな中、黙々とここまでフル出場を続ける選手会長。
74試合 打率.289 4本 22打点 OPS.719 得点圏打率.232
6月の月間打率は3割を越えるが、4番打者として見てしまうと寂しい打撃成績が並んでいる。
ルーキーイヤーの10年と13年に記録した19本塁打が自身最多と元々中距離打者だが、今季の長野はここまでわずか4本塁打。
打率.251と不振に苦しんだ昨季でさえ15本塁打を放ったこと考えると物足りない数字である。
さらに気になるのは、本塁打だけでなく年々各スタッツが徐々に下がっていることだ。
入団以来3年連続で8割越えのOPSは15年.726、16年.719。
同じく入団以来4年連続で二桁盗塁をマークし、12年には20盗塁を記録した盗塁数も15年3盗塁、16年3盗塁と激減。
14年オフの右膝手術の影響に加え、徐々に脚力が衰えてきているのは否めない。

3番の坂本勇人が「打率.327 15本 44打点 OPS.1.007 得点圏打率.323」と存在感を見せているだけに、夏場に強い4番長野の奮起が待たれるところだ。
原前監督も度々「これからはサカチョーが中心」と期待をかけていた坂本と長野のコンビ。
巨人の逆転優勝はこの2人の活躍に懸かっていると言っても過言ではないだろう。
プロ入り以来、7年間ずっと1軍の主力として試合に出続けている長野。
1年目新人王、2年目首位打者、3年目最多安打。11年から13年まで3年連続ゴールデングラブとベストナインのダブル受賞。
あの頃の背番号7は最高に輝いていただけにもどかしい。

早いもので、84年生まれの長野は今年で32歳だ。
V3を支えた功労者たちとともにその役割を終えるのか?
それとも新しい4番打者として、27歳の坂本や26歳の菅野と新時代の巨人を作るのか?
今、長野久義は野球人生の分岐点にいる。

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