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ヤクルト山田哲人、対左投手打率4割超え。インコースの強さが打撃3部門独占の要因に

東京ヤクルトスワローズの山田哲人の打撃が好調だ。現在打撃主要タイトルのランキングでトップに立ち、三冠王どころか五冠王の可能性も出てきた。

2016/06/29

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対左投手の打率4割超え、本塁打率は8点台

 ヤクルト山田哲人のバットが止まらない。リーグ戦再開後の打撃成績は、12打数5安打で打率.417、2本塁打、8打点と絶好調だ。

 山田は6月28日の試合終了後時点で打率.329、25本塁打、63打点でいずれもリーグトップ。三冠王に躍り出た。また、出塁率も.447でリーグトップ。盗塁は17個で、広島の田中広輔と並んでリーグトップタイ。現在「五冠」となっている。

 今季、打撃主要部門を総なめし三冠王となれば、2004年の松中信彦(当時ダイエー)以来12年ぶりとなる。過去、三冠王となった選手は7人いるが、その顔ぶれを年代順に紹介してみよう。

◆歴代三冠王と各シーズンの成績

中島治康(巨人)1938年秋 打率.361 10本塁打 38打点
野村克也(南海)1965年 打率.320 42本塁打 110打点
王貞治(巨人)1973年 打率.355 51本塁打 114打点
王貞治(巨人)1974年 打率.332 49本塁打 107打点
落合博満(ロッテ)1982年 打率.325 32本塁打 99打点
ブーマー(阪急)1984年 打率.355 37本塁打 130打点
バース(阪神)1985年 打率.350 54本塁打 134打点
落合博満(ロッテ)1985年 打率.367 52本塁打 146打点
バース(阪神)1986年 打率.389 47本塁打 109打点
落合博満(ロッテ)1986年 打率.360 50本塁打 116打点
松中信彦(ダイエー)2004年 打率.358 44本塁打 120打点

 王貞治(巨人)が2年連続で2度、落合博満(ロッテ)は3度の三冠王となった。85、86年はバースと落合が2年連続で三冠王となり、セパ両リーグで同時達成となった。

 右打者に限ってはすべてパリーグの選手である。1リーグ制の時代に巨人の中島治康が1938年秋に三冠王となっているが、2リーグ制以降、セリーグの右打者で三冠王になった選手はいない。山田が三冠を獲得すれば史上初の快挙となる。

 山田が打撃3部門を独占している要因として、左投手に対しての好成績が挙げられる。山田の今季の左右投手別の打撃成績は以下の通りとなっている。

◆山田哲人 左右投手別打撃成績

右投手 打率.297 15本塁打 45打点
左投手 打率.402 10本塁打 18打点

 右投手と左投手とでは、打率に1割以上の差がある。本塁打率は右投手の時が195打数15本塁打で13.00、左投手とは対戦が少ないにも関わらず、82打数10本塁打で本塁打率は8.20と、8打数に1本の割合で本塁打を放っていることになる。

 6月17日の西武との交流戦(神宮)では7回裏一死一塁の場面で、左腕の佐野泰雄の高めの直球を左翼スタンドまで運び、22号2ラン。日本人選手初となる1シーズンで11球団から本塁打を放つ記念の一発も、得意のサウスポーからだった。

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