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DeNA石田、2年目の飛躍。野球人生で交差する日本ハム・有原の存在

DeNAの2年目左腕・石田健大が5月度の投手部門の月間MVPを獲得した。その石田は高校時代から有原の背中を追いかけていた。

2016/06/07

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大学で抜かしてやろう

 DeNAの2年目左腕・石田健大が5月度の投手部門の月間MVPを獲得した。4試合に先発し、4勝0敗 防御率0.33は文句のつけようのない立派な数字と言えるだろう。

 彼の野球人生を振り返ると、忘れられない存在がいる。
 今季、石田と同じ5勝を挙げている日本ハムの有原航平だ。同じ広島県出身の有原と石田。2人の人生は驚くほど交差している。

 広陵高3年春の甲子園でベスト4入りするなど全国レベルだった有原。一方の石田は高校3年春の広島県大会2回戦でノーヒットノーランを達成、そのまま県大会を制した。石田は密かに有原の背中を追いかけていたのだった。

 同年夏の広島大会では準々決勝で敗退し、有原との差をそれ以上に縮めることはできなかったが、プロ志望届を出さずに法政大に進学、石田は4年間での逆襲を誓ったのだった。

 ところが、石田に朗報が入る。
 誰もが高校卒業後にプロ入りするだろうと見られていた有原が早稲田大学進学を選択したというのである。同じ東京六大学への進学に石田はこう回想している。

「有原は高校時代から騒がれていて、僕はすぐにプロに行くものと思っていました。だから、当時は後になってから有原を追い越せばいいという気持ちで大学に行ったんですけど、有原が早稲田に行くと聞いた。これは面白いことになったなぁと。大学で抜かしてやろうという気持ちになりました」

 石田の大学デビューはことのほか早かった。1年秋に初登板を果たすと、やはり初勝利を挙げたのも同年秋。そこから場数を踏み、3年春には慶応大戦で15奪三振の圧巻のピッチング。一躍、ドラフト候補と騒がれるようになったのである。

 石田は大学時代、こんな話をしている。

「有原は上の上の存在だったし、僕が大学で成功するかはわからなかった。それが1年の秋から投げさせてもらっていいスタートが切れて自信がつきました。それからは有原にも負けていないなと思うようになりました。抜かせない相手じゃないと。そのあとは意識を持つより刺激し合える存在になれればと思っていました」

 ライバルを見つけることで、強気な石田は成長を遂げたのだった。

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