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巨人・阿部慎之助の復帰後は無敗。待ち望まれた現場監督の野球への想い【死亡遊戯コラム】

巨人の阿部慎之助が一軍に戻ってきた。その後チームは3日試合終了時点で無敗だ。

2016/06/04

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大きすぎる阿部の存在

背番号10がそこにいる風景。

3日、東京ドームで今季初めてファースト守備に就いた阿部慎之助がマウンド上のエース菅野に檄を飛ばす。
一塁からジェスチャーを送り、ピンチにはマウンドへ走る元キャプテン。
まるでその姿は第二の捕手であり、2016年の巨人に足りなかったグラウンド上の「現場監督」そのものだった。
5月31日、交流戦開幕のオリックス戦にて「5番DH」で1軍復帰。
敵地京セラドームにもかかわらず、阿部が打席に入る際は大きな拍手に包まれる三塁側スタンド。
数々の修羅場をくぐり抜けてきた男は、1点を追う6回二死1塁の場面でライトスタンドへ逆転1号2ランを放ってみせた。

誰もがこの選手の帰りを待っていた。
チームはリーグ最低得点の貧打に喘ぎ、「4番一塁」を託された新助っ人ギャレットも打撃不振と拙守で2軍落ち。
代役を期待されたアンダーソンはわずか数試合の出場で再び故障し戦線離脱。
打線の起爆剤として1軍昇格した2年目岡本和真は10打数でわずか1安打、守備でも不安定さを露呈。
よく若手を我慢して使えと第三者は言うが、今の岡本は首脳陣が我慢できるレベルにすら達していなかった。
結局、由伸監督は脇谷亮太をファースト起用するも、打率1割台と低迷する日々。

そんな巨人の一塁問題の救世主になりそうなのが阿部の存在である。
理想を言えば、「捕手阿部」として復帰できればチームにとってもベストだろう。
だが、開幕前に右肩痛を発症しており無理は出来ないベテラン。
しばらくは一塁とDHの併用となりそうだ。
由伸監督は未来を見据え、開幕から3年目の小林誠司を正捕手として起用し続けている。
ディフェンス面は着実に進歩を見せる小林だが、オフェンス面では打率.185、0本塁打、OPS.455と苦戦中。
阿部の存在が結果的に小林の打撃の負担も軽減させることができるだろう。
もちろんスタメンを外れた日には、「代打の切り札」としても重宝するはずだ。

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