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〝まさか〟の二人がFA宣言 近藤健介のショート起用から見えたファイターズのブレない方針

この4年で、ファイターズの選手の入れ替わりが激しい。特に長年チームに在籍した実力のあるベテラン、中堅組が相次いでチームを去った。そして、今季もまた二人のレギュラーが……。新陳代謝を促し、常に競争をつくりだすチーム方針はブレない。実際に若い有望な選手が芽を出しつつある。

2014/11/25

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ハム一筋だった小谷野までチームを去る

 10月29日、ぼくはこの「ベースボールチャンネル」に北海道日本ハムファイターズの育成についてのコラムを書いた。
 タイトルは《安く仕入れて大きく伸ばす――北海道日本ハムを支える「高卒力」》。この原稿の中でぼくは、新人に積極的にチャンスを与えるファイターズの体質について考察した。

 あれから約1カ月が経ったいま、積極的に若手にチャンスを与えることの本当の意味を、ぼくは改めて噛みしめている。

 このオフ、小谷野栄一と大引啓次がFA宣言を行った。そのことにファンであるぼくは驚いた。
 小谷野は2010年に打点王に輝き、守備の名手としても知られる功労者。地元人気は絶大といっていい。一方の大引は、糸井との大型トレードで獲得した実力者。移籍2年目で主将を務めたように、統率力を高く買われていた。

 つまり「まさか」の二人が、FA宣言をしたということ。

 もっとも、これくらいで驚いていたら、このチームのファンはやっていられない。
 最近4年間の動きを振り返ると、絶対的な主力、功労者、人気者が次々とチームを離れているのだ。

 2011年には、シーズン中に高橋信二が金銭トレードで巨人へ移籍。オフには、ダルビッシュ有がポスティングでテキサスへ。
 12年には田中賢介がFAでサンフランシスコへ。
 13年には糸井嘉男、八木智哉とのトレードで木佐貫洋、大引、赤田将吾を獲得。さらに鶴岡慎也がFAでソフトバンクへ。
 14年には稲葉篤紀、金子誠が引退し、小谷野と大引がFA。

「激動」が通常化したため、ちょっとやそっとのことでは驚かない耐性が身についてしまった。

 前述した「積極的に若手にチャンスを与えることの本当の意味」とは、若手にチャンスを与えれば、必然的に中堅、ベテランの地位が脅かされるということだ。

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