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野球人の意地。弾き返されても、それでも前へ――星秀和、トライアウトを終えて【中島大輔 One~この1人をクローズアップ】

11月9日、20日と2回の12球団トライアウトが行われた。ベースボールチャンネルでは、独立リーグから、再びプロ野球入りを目指す元埼玉西武ライオンズの星秀和を追いかけてきた。2回のトライアウトを終えた今、星は何を思うのか。

2014/11/25

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1回目のトライアウトでは1打席目初球をホームラン

 冬の寒さが身にしみる11月20日、川崎市のジャイアンツ球場。

 プロ野球選手として来季の契約を目指す18人が、最後の望みを懸けて今年2回目の12球団合同トライアウトに臨んだ。

 その中にひとり、独立リーグのユニフォームに身を包んだ男がいた。
 2013年限りで西武を戦力外となり、14年はBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスですごした星秀和だ。

「『一発やったろう!』しかないですよ。だって、(契約のオファーは)ほぼほぼない線の話なので。スカウトの目に止まって、おもしろいと思ってもらわないと意味がない。普通にヒットを2、3本打っても、どうしようもない話なので」

 11月9日に行われた1回目のトライアウトで、星は確かなインパクトを残した。1打席目では、左腕の根本朋久(前日本ハム)が初球に投じたストレートをライトに本塁打。その後は2打席凡退が続いたものの、4打席目はショートへの当たりをヘッドスライディングでヒットにしている。

 結局、5打数2安打。14年の取り組みが結果として表れたことに、星は手応えを感じた。

「失敗を恐れない気持ちを独立で学びました。今日は左ピッチャーのストレートに手が出たので、今年やってきたことが1打席目に関しては出たのかなと思います」

 来季の契約に一縷の望みを懸けたトライアウトで、参加者たちが緊張状態にあることは想像に難くない。しかも、星には背負うものがある。

「僕は独立から来ているわけですよ。プレーがあまりにもしょぼいと、『なんだ、独立?』と思われちゃうじゃないですか。だから、あえて群馬のユニフォームを着てきたんです」

 独立リーグで1年間をすごしたことで、星は野球への情熱が強くなったという。周囲の選手は総じてハングリーで、改めて自身を磨き直した。そうした自分をぶつけようと、群馬のユニフォームを勝負服に選択したのだ。

 しかし、朗報は届かなかった。

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