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【MLB】ストラスバーグ驚愕の約189億円契約延長。大谷なきFA先発投手手薄でトレード活発か?

この冬FA市場に名を連ねるはずだった唯一のエーススティーブン・ストラスバーグが約189億円の契約延長に合意。先発投手を必要とする各球団はシーズンオフを待たずに、この夏トレードで戦力補強を目指していくのか注目だ。

2016/05/12

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ストラスバーグ契約延長で高まるトレードの活発化

 ストラスバーグの契約延長のニュースを受けて多くのGMが「冬まで待つ必要がどこにある?」と唱えたはずだと、記事内では早くもトレードが活発化すると予測している。

 有望な若手との交換でソニー・グレイ(アスレッチクス)やホセ・フェルナンデス(マーリンズ)、そしてダニー・サラザー(インディアンズ)の獲得を目指すのであれば2016年シーズンのペナント、そしてプレーオフでも戦力として早めに迎え入れるべきであると考えるはずだろう。

 5月10日時点で4勝11敗と開幕ダッシュに失敗したオークランド・アスレチックスのソニー・グレイのトレードは現実味がある。マイアミ・マーリンズ所属のホセ・フェルナンデスとクリーブランド・インディアンズのダニー・サラザーは現時点ではプレーオフを争える状態でその状況が変わらなければ現実的なトレード候補とはならない。

 おそらくマット・ハービー(メッツ)はシーズンオフにトレードされる投手の候補の一人だろう。開幕から苦しい投球が続いているが、ナショナルリーグ連覇を目指すチームにとっては昨シーズンワールドシリーズ第1戦の先発投手をシーズン中にトレードすることはチームに悲惨な影響をもたらしかねない。

 それを踏まえても、ストラスバーグの契約延長でニューヨーク・メッツはハービーと同じことをするのは考えにくい。ともにボラス代理人の契約選手だが、全く違った性格の持ち主だ。そしておそらくストラスバーグの契約延長はボラスが勧めたというよりは本人の意思によるものが大きかったのではないかと、モロシー記者は分析している。

 フリオ・テヘラン(ブレーブス)、そして金銭的に乏しいマーケットに所属するタンパベイ・レイズのクリス・アーチャー、マット・モーア、ジェイク・オドリッジのトレード獲得への交渉はしやすいだろう。

 だがシーズンオフにFAを迎えるエース級の投手がいないため、この夏はトレードで獲得できる”レンタルエース”が存在しない。アンドリュー・キャシュナー(パドレス)、ジェレミー・ヘリクソン(フィリーズ)、ダグ・フィスター(アストロズ)はトレードされる可能性を残すが、彼らのいずれかが10月のプレーオフシリーズの第3戦を任されるとは考えにくい。ましてや最初の2戦を任されることは難しいだろう。

 このシーズンオフは一人のエースへの争奪戦が繰り広げられると思われたが、ストラスバーグの残留でそれがなくなった。誰もが予想していたよりも早く、トレードの季節がやってくるだろう。

出典: Strasburg deal could open trade floodgates by Jon Paul Morosi in MLB.com on May 10, 2016

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