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菅野智之、大黒柱としての責任感――「原辰徳の甥っ子」から「巨人のエース」へ【死亡遊戯コラム】

今季いまだ自責点0。巨人の正真正銘のエースとして菅野智之が君臨する。

2016/04/29

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4年目の自覚

1年目はいきなり13勝を挙げ日本シリーズで田中将大に投げ勝ち、2年目は故障もありながら最優秀防御率とMVPを獲得。
だが、3年目の昨季は打線の援護に恵まれず、防御率1点台ながら10勝11敗と負け越し。
あれだけ簡単に勝ってきた男が、なかなか勝てずにあがいていた。
当然、ファンもそれは痛いほど分かっている。
東京ドームでも昨季途中から19番に対する声援が明らかに増えた。
「腐るなよエース」と。
皮肉なことに、プロ入り以来そつなく勝ち続けてきた菅野が、負けたことによってファンの共感を得たわけだ。

そして、共感と圧倒を手に臨んだ4年目のシーズン。
気が付けば年下の後輩も増え、芽生えたのは大黒柱としての責任感。
菅野がプロ入りした直後の1軍には年上の内海哲也や杉内俊哉がいたし、昨年だって13勝を上げたマイコラスがいた。
なにより偉大なる伯父が自軍の監督。
だが、今季はベテラン陣やマイコラスは2軍だし、原監督も現場を去った。
いわばプロ野球選手として自立の年である。
入団時「原辰徳の甥が菅野ではなく、原辰徳は菅野の伯父だったと言われるようになりたい」と語った男。

あれから4年。
2016年の菅野智之は、もはや原辰徳の甥っ子ではなく、立派な「巨人のエース」である。

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