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ホークス・森福の存在価値――輝きを取り戻しつつある左キラー

4月19日に首位に立ったソフトバンク。今季最長の8連勝をマークするなど、王者の貫禄を見せ始めた。打線が爆発し2ケタ安打の大量得点の日もあれば、投手陣が踏ん張り継投で手にした勝利もある。楽に勝てる試合ばかりではない。そんな中、一人の左腕が輝きを取り戻しつつある。

2016/04/26

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経験を積み、後輩を気遣う立場に

 ファームで目指してきたように、「左打者なら森福」という図式をここまで築き上げてきた。

 今シーズン、印象的だった場面がある。
 4月23日の日本ハム戦、同点に追いつかれた8回一死二塁の場面で先発の千賀滉大からマウンドを引き継いだ。そして二者連続三振。「しっかりコントロールできた」とピンチを切り抜けた。

 延長戦へともつれ込んだ10回、4人目の森唯斗が逆転を許してしまう。ベンチに戻りうなだれる森。そんな後輩に対し、森福は肩を抱き声をかけていた。自分のことだけではなく、後輩を気遣う立場になったのだと改めて実感した。

 工藤公康監督は「イニング途中(走者のいる場面)ばかりで投げさせて申し訳ない」と話すが、それは信頼あってこそ。

 頼もしい左腕の復活がチームを救い、後輩に刺激を与え、何より森福本人のさらなる覚醒を導き出している。

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