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ホークス3軍創設の意義――四国アイランドリーグplusとの定期戦で見えた『選ばれし者』と『夢追う者』

ホークスの3軍と四国アイランドリーグplusでは2011年から定期的に交流戦を実施している。

2016/04/16

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阿佐智



実戦経験を積めるのは何よりのプラス

 ソフトバンクが昨年ドラフト(育成を含む)で獲得した11人のうち、高校生は9人。選手層の厚さがあるからこそなせる業ではあるのだが、このうち、1位指名の高橋純平以外の高卒ルーキー8人と大卒で獲得した育成選手2人、つまりルーキーのほとんど全員が現在3軍でプレーしている。
 
 「人数はギリギリでやっているんですけど」と石渡監督の言葉どおり、この日の遠征に帯同してきた野手は9人。指名打者制を採用しているため、全員が試合にフル出場できる計算だ。
 
 しかし、「4、5月は土日だけなので大丈夫ですが、6月から韓国遠征などが入りだすと選手のやりくりは大変になってきますね」と3軍監督ならではの苦労もあるようだ。ちなみにアイランドリーグとの交流戦では、特別ルールを採用し、指名打者で出場した選手が、試合途中から守備につくこともある。3軍制度と言っても、2、3軍の間にはアメリカのマイナーリーグのようなロースター(選手登録制度)があるわけではない。お互いのスケジュールに合わせて人数を融通しあっている。
 
 しかし、そうまでしてでも選手が得ることのできる試合経験は、何物にも代えがたいと石渡は言う。
 
 「私は2軍監督も務めましたが、2軍までしかない時代は、ベンチの選手をたまに使ってやっても、フィールドで違和感があったんですよね。3軍があると、そこから調子をいい奴を2軍に上げて使ってみても、そういう違和感はないですね」と実戦経験の重要性を説く。

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