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【野球人の言霊8】カープ、野村祐輔が自分自身の人生を受け入れた象徴的な一球

2016/04/12

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「僕は、もう一度、真ん中にスライダーを投げると思う」(広島・野村祐輔)

 

 2012のセ・リーグ新人王に輝いた野村祐輔で思い起こすのが07年夏の甲子園だ。佐賀北の「がばい旋風」で幕を閉じたこの大会で、かませ犬になったのが野村のいた広陵だった。7回を終えて4-0のリードから一転、ひっくり返された。

 

 その当事者で、しかも投手であったのが野村だった。
 彼は今でも「あの準優勝、覚えている」とたくさんの人から声を掛けられるのだそうだ。それほど、世間の野村の印象は、あの試合にあるのだろう。

 

「あの試合に戻れるとしたらどの場面?」と質問をぶつけると、野村は、冒頭の言葉を返してきたのである。

「あれが僕の人生なので、変えたいと思わないし、あれが僕なんです。もう一度、あの場面に戻っても、僕は、同じ球を投げます。それが人生なので」。
 彼があの準優勝の悔しさを胸に、明治大では全国制覇を果たし、プロにまで上り詰めた。

 

 人生を受け入れる姿勢が、彼を、一段も、二段も成長させたのに違いない。