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今永、江越だけじゃない! 13年ぶりの日本一狙う駒大の野球小僧たち

11月14日から始まる『明治神宮大会』。大学の部では、東都大学リーグ屈指の名門・駒澤大が、日本一となった2001年秋以来13年ぶりに全国の舞台へと帰ってくる。投打の柱は間違いなく、3年生エースの今永昇太と4番を打つ江越大賀(阪神ドラフト3位指名)だ。そして、さらに今回はチームの強さを支える「野球小僧」2人にもスポットを当てたい。

2014/11/13

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Yu Takagi



↑チームを支える4年の主力選手たち。前列左から福山亮内野手(主将)、江越大賀外野手、砂川哲平内野手。後列左から齋藤導久外野手、下川知弥外野手、久須美亮太学生コーチ

選手として諦めた夢を学生コーチで

 またチームを支えるのは選手だけではない。

「まずは私生活の面からしっかり正していこうと、福山や久須美ら4年生がチームをまとめてくれた」 

 と、西村監督のリーグ優勝会見で、主将を務める福山亮とともに真っ先に名前の挙がった久須美亮太は4年生の学生コーチ。

 久須美もまた、「チームの不調時には、〝久須美が(選手として)いてくれたらなあ〟と思ったこともある」と西村監督が話すほど、野球勘に長けた選手(捕手)として駒澤大に入学した。

 だが入学して間もなく、長年悩まされていた腰の痛みが、生まれつきの『臼蓋形成不全』だと判明。医師から「このまま野球を続ければ、日常の生活もままならなくなる」という非情の宣告を受けた。

 その晩は「僕も親も電話で泣きました」と振り返る久須美だが、2年生時から学生コーチに転身。専属の指導者が西村監督しかいない駒澤大にあって、選手と監督をつなぐ橋渡し的な存在として、時に温かく、時に厳しい言動でチームをバックアップしてきた。

 来春からは母校・京都外大西高にコーチとして赴任することが決まっている久須美は、「ずっと日本一になると公言してきたので、目標は日本一しかない」と、大学野球での有終の美を誓っている。

 今秋のドラフト指名選手が7名も出場するだけあって、近年稀に見る華にあふれる大会となることが予想される今大会。

 その一方、砂川や久須美のようなチームを影で支える男たちの活躍にもまた目を光らせたいところだ。

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