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ホークスとの対決で見えた、公式戦へ向けた『駆け引き』の始まり【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#25】

開幕まで1週間を切った。この時期のオープン戦はいよいよ始まる公式戦を見据えた戦い方が見受けられる。

2016/03/19

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新球種を封印した大谷

 17日、鎌ヶ谷・ファイターズ球場でのソフトバンク戦は派手だった。いや、そもそも首都圏最後のオープン戦が「F×H」戦というだけで十分派手だ。球春到来だ。今年もこのカードは間違いなくパの上位対決だ。
 
 その上、先発投手が大谷翔平と摂津正と「開幕投手」の最終調整だ。ついでに始球式がJRAの人気者、藤田菜七子騎手だ。東京ドームでやってもけっこう埋まっただろう。
 
 で、これが良いオープン戦の見本みたいな試合だった。
 どういう試合が良いオープン戦の条件かというと「野球を見た後、野球を見たくなる」だと思う。公式戦じゃないのだから、こう前哨戦というか小手調べだ。同一リーグのライバル相手に手の内を全部さらけ出すかというとそんなわけはない。静かな火花が散るイメージだ。投手なら「見せない球」をつくるなど、リミッターをかける。事実、大谷は球速を抑え、新球種のチェンジアップを封印した。
 
 スコアブック上は福田秀平に初回いきなりホームランを浴びる等、5イニング投げて6安打4失点、大谷の出来はあまり芳しくなかったことになる。が、たぶん問題ない(それは5回8安打5失点と散々だった摂津にも言える)。「仮想・QVCマリン」の屋外球場で感触を確かめながら投じていた。あくまでリミッターの範囲内で。
 
 大谷の場合、感触の確認は春のテーマだ。去年も春先は立ち上がりに苦しんでいた。それでも最終的には「投手三冠」だ。修正力がハンパないのはこの日も2回以降、立ち直ったことが証明しているだろう。
 
 対決で面白かったのは柳田悠岐だなぁ。これは摂津vs中田翔にも言えることなんだけど、こう、挨拶代わりに思いきり振る。スイングの風切り音を相手の脳裏に焼き付けてやる、くらいの勢いだ。もう目先の結果なんてどうでもいいよ。本チャンの対決が楽しみでしかない。

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