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FA移籍2年目のヤクルト成瀬善久、大引啓次――リーグ連覇へ、求められる2人の“進化形”

ヤクルトがセリーグ連覇を目指すうえで、昨年FAで移籍してきた2人の選手が2年目の今季、本来の実力を発揮できるかはポイントの一つになる。

2016/03/12

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成瀬、復活へのカギは右打者対策。ワンシームを武器に通算100勝へ

 16年シーズン開幕に向けて、復活への明るい兆しが見え始めた一人の選手がいる。14年オフに千葉ロッテマリーンズからFAで東京ヤクルトスワローズへ移籍した成瀬善久だ。移籍1年目の昨季は、14試合に登板し3勝8敗、防御率4.76と期待を大きく裏切る結果に終わった。
 
 雪辱を期す今季は、ここまで実戦4試合で10イニング無失点と好調。開幕ローテーション入りへ向けて上々の仕上がりをみせている。
 
 04年~14年までロッテに在籍しパリーグで一時代を築いた成瀬は、セリーグ移籍1年目を自己最低の成績で終えた。ロッテ時代から被本塁打の数が多く、10年にシーズン29本塁打を浴び、11年に15本、12年に21本と、3年連続で被本塁打の数でリーグワースト1位と不名誉な記録を残した。
 
 昨季もわずか14試合の登板で被本塁打の数は16本。これはリーグワースト2位タイの記録で、被本塁打率は1.82である。QVCマリンよりも狭い神宮を本拠地とするヤクルトに移籍し、不安視されていた点が露呈してしまった。
 
 課題は右打者への対策だ。16本の被本塁打のうち、15本が右打者に打たれた数字である。被打率も左打者に.223であるのに対して、右打者には.287と苦手にしている。
 
 現在、成瀬は右打者の外角へシュート気味に沈む「ワンシーム」に挑戦中だ。
 元々、左打者に対しては外角へ逃げるスライダーを武器としているが、右打者にはシュート系の球でバットの芯を外す効果的な球が必要だった。“新球”ワンシームが、今季の復活へのカギを握りそうだ。
 
 通算勝利数は93勝で、あと7勝で100勝に到達する成瀬。07年にはキャリアハイの16勝を挙げ、09年~12年まで4年連続で二ケタ勝利を達成している。もう一度あの頃の輝きを取り戻すため、進化を遂げてみせる。

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