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キャンプで最も心に残った、阪神・藤川球児の”ずば抜けたボール”【小宮山悟の眼】

藤川球児は、今季『先発投手』として開幕を迎えるそうだ。キャンプでは素晴らしいボールを投げていた。

2016/03/07

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新守護神の状況では再転向の可能性も

 このようにリリーフから先発への転向には、越えなければならない壁がいくつもある。実際にも、成功例は多くはない。
 
 しかし、逆に、先発からリリーフへの転向は、比較的容易に可能である。連投をした場合の疲れとか、試合終盤の緊迫した場面で登板する精神的な負担など、リリーフならではの苦労もあるが、元々クローザーだった藤川ならば何の心配もいらないはずだ。
 たとえば、現在のクローザー候補である新外国人マテオの調子が上がらず、抑えとして目処が立たなければ、藤川のクローザーへの再配置転向もあるだろう。
 
 実は、キャンプ中に矢野バッテリーコーチと、藤川のクローザー再起用について話したのだが、「(今後のチーム状況によっては)そういう可能性もゼロではない」と答えが返ってきた。チームにとっては望ましいとは言えないが、藤川が再び甲子園球場の9回表のマウンドに立つ日も来るかもしれない。
 
 もちろん、先発として活躍できればそれに越したことはない。新しい投球スタイルを見せてくれるのなら、それはシーズンの大きな見どころになる。
 
 4年ぶりのNPBのマウンドで、彼がどんなピッチングを披露するのか。大いに楽しみだ。
 
 
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小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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